考える男マートンと哲学の小部屋(トイレ)~王鼎

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マートン接待受ける
私は考える男マートン。
今日は、知人がもてなしてくれ、日本料理店に来ている。
どんな料理か楽しみだ。
牛ヒレ、フォアグラ、アワビの鉄板焼き!
この豪勢な料理をアテに、大吟醸…たまらん!
おごりなので、気が大きくなるな。
…ああ、満腹だ。
今日は贅沢して、タクシーで帰るか!
と、その前に小部屋(トイレ)へ。

花バブルの哲学
便座後ろの壁紙は花柄、横の壁はタイルによるモザイク模様か。
春にオランダで催される「花のモザイク祭り」を連想するな。
本物の花を使ったモザイク画が各地に飾られる、
華やかな祭りだ。
ん? 待てよ。
ここの店名は「王鼎」。
「鼎」とは、古代の煮炊き用器物のことだ。
通常、ものを煮れば、泡が出る…。
泡と花、そしてオランダを哲学的に考察すると、
17世紀オランダで弾けた「チューリップ・バブル」が浮かぶ!
当時、オランダではチューリップが大流行し、
球根が高値で取引され、バブルが発生。
その後導入された先物取引がバブル経済崩壊の引き金となり、
国中が混乱に陥ったのだ。
これは、おごられて浮かれる私に対する戒めかもしれん…
やはり、タクシーは止め、徒歩で帰るとしよう。
ありがとう、いい小部屋(トイレ)であった。

~上海ジャピオン2013年4月19日号

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