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インスタントラーメンのほかに、飲料や菓子なども生産している大手食品メーカー・康師傅。
その「亜州精選」シリーズの一種がこれだ。
同シリーズは、中国各都市やアジア諸国の特徴を盛り込んだ味を揃えており、
ほかには四川の「麻辣火鍋味」や、インドの「カレー味」、日本の「豚骨ラーメン味」などもある。
今回食したのは、中国香港からの豪華な「蟹味噌アワビ味」。
お湯を注いでフタを開けると、豊熟な海鮮の香りがぷ~んと、心地よく漂ってくる。
表のイメージ画にはどーん! と大迫力のアワビがのっかっているが、
実際は小さなはんぺんのようなものと、蟹味噌とおぼしきオレンジ色のかやくが浮かぶのみだ。
しかし味はというと、香りを凝縮したようなしっかりとした海鮮の風味が香ばしく、
それでいてあっさりとしていてしつこくない。
シリーズ全制覇を目指してみるのも、一興だろう。
フタの表面積の約半分を、「上品」という漢字2文字が占める、インパクト満点のパッケージ。
「鹵蛋」は、各種香辛料などに浸け込んだ煮玉子のことで、中国ではスーパーなどでもよく売られている。
それを大胆にもカップラーメンに同封してしまったという、何とも斬新な一品だ。
同じく同封してあるザーサイは、
「スープを2口飲んでから入れると良い」と書いているので、とりあえず先にスープを飲んでみる。
すると「上品」という日本語のイメージからはほど遠い、ヒリヒリと焼けつくようなすっぱ辛さがのどを襲う。
ザーサイで緩和を、と思い袋を開けると、ザーサイと一緒に唐辛子も顔を出し、さらに辛さが増す。
煮玉子とザーサイのトッピングに加え、発汗作用もあるとくれば、意外と栄養バランスはいいのかもしれない。
しかし、カロリーが意外と高いので、深夜に食べるのは危険そうだ。
春節を過ぎて間もないからか、くじ付きで売られているこの「来一桶」シリーズ。
何と金賞は、1688元相当という「黄金の飾り」。
全国で288個の商品の中に入っているそうだが、広い中国、当選確率はわずか0・0002%だ。
残念賞として、価値にして0・5元のソーセージも8880万本用意されているが、
それでも当たる確率は60%だとか。
いささかドキドキしながらフタを開けると、
目に飛び込んできたのは黄金の…もとい、赤いパックに包まれたソーセージ。
実は100%入っているのでは…と邪推してしまうが、それでも少し嬉しい気分になる。
味は魚香肉絲などの中華料理を彷彿とさせる、せき込む辛さ。
食べ進めると、鼻の奥がツーンとし、唇がピリピリしてくる。
くじは5月11日(水)まで実施されているので、今年の運だめしをしてみよう。
こちらも大手「統一」による代表的シリーズ。
いざ、カップ麺を食さんとしている、ヨコ分けがイカした兄ちゃんを、上からとらえたイラストが印象的だ。
豚骨味は日本のカップ麺でもなじみが深いが、
こちらは中国らしく「酸酸辣辣(すっぱ辛い)」な仕上がりとなっている。
中には、スライス肉をはじめ、かやくが丁寧に5袋に分けられて入っている。
湯を入れて4分待ったら、兄ちゃんと同じポーズをとってから、食べ始めよう。
ちなみに、電子レンジの使用もOKで、湧いたお湯で作る場合は2分、常温の水なら6分だ。
酸っぱさと辛さのバランスは、半々ではなく、圧倒的に酸っぱさの方が優勢となっている。
口に残る酸っぱさで、カップ麺であるにもかかわらず、少し身体にいいような気までしてくる。
濃い味付けや辛いカップ麺が多い中で、キラリと光る個性を持った逸品だ。
上品シリーズと同じく、カップ麺の製造に力を注ぐ「今麦郎」の渾身の作。
濃厚そうな見た目だが、「コラーゲンたっぷり」という謳い文句が、
カップ麺を敬遠しがちな女性の心をもわしづかみにする。
コラーゲンと並んで、もう1点強調しているのが、「直麺」。
同商品のCMでも、女性が麺を食べると髪の毛がウニの棘のようになり、その「直麺」具合をアピールしている。
真相や如何にと箸で麺を引き上げてみると、残念ながらフタの絵は再現されず、
全くといっていいほど真っすぐではない麺が、ずるずると濃厚なスープの中から顔を出した。
謳い文句とはいささか食い違いがあるものの、むしろ縮れ気味の細い麺が濃厚なスープと非常にマッチしている。
コショウと辛味がほどよく効いており、日本のカップ麺に近い風味。
比較的高カロリーなのが玉にキズだが、魅力あふれる一品だ。
赤い縁取りをした青い染付磁器のようなデザインのパッケージが、
カップ麺らしからぬ雰囲気を醸し出しているこの一品。
おしゃれな雰囲気についつい手を伸ばしてしまいそうだが、果たしてその正体は如何に。
ふたを開けると、いきなり透明で黄金色に輝く春雨が顔を出す。
期待を裏切らないその派手な風貌に、テンションは一気に急上昇。
しかし湯を入れてから再び開けてみると、輝きは消え、普通の黄色に変化している。
しょんぼりしながらも、気を取り直して同封のスープを入れると、
一気に赤みが広がり、黄色と赤色のコントラストが美しい。
口に入れてみると、ピリリとするにはするが、ほどよい辛味。
中国というよりも、どちらかと言うと東南アジアのフォーを思わせるような味だ。
スープ自体の味は濃い目だが、麺はあっさりとしている。
おしゃれにつるりと食してみよう。
「頼もう!」と、野太い道場破りの声が聞こえてきそうなネーミングだが、
残念ながら「五谷」は道場の創立者の名前ではなく、中国語で穀類を指す。
しかしノンフライ麺を使用し、脂肪含有量1%以下を実現する健康に対するこだわりぶりは、
その名にたがわぬストイックさだ。
そしてたっぷり詰め込まれた野菜袋には、
グリーンピースにとうもろこし、クコの実、さらにはワカメまで入っている。
湯を注ぐと、質素な見た目とは裏腹に、彩り華やかな3原色がスープの上でダンスを踊る。
気合いを入れて、いざ「頼もう!」と口に入れると、質素極まりない味付け。
カップ麺というよりは、チャーハンを食べているようだ。
たまに口に入るクコの実が、ほんのり甘くておいしく、オアシス的な存在となっている。
「道場」という名前だけに、修行と思って食すにはいいかもしれない。
日本でもおなじみの「日清カップヌードル」中国版。
耐熱性のある発砲スチロールの容器に入っているため、手に持っても熱くなく、
電子レンジで30秒~3分チンして作ることもできる。
ほかにスタンダードな「五香牛肉味」や「海鮮味」などもあるが、
今回は一風変わったイタリア牛肉味に着目した。
イッタ~リア~ンなパッケージに否が応でも期待は高まるが、
スープはまるでトマトスープを薄めに薄めたようなラーメンらしからぬ味。
にんじんが多めに入っているからか、少し甘いのも、ラーメンらしさを薄めているポイントだ。
トマト味が薄いのならと、試しにケチャップを入れてみたが、味は濃くなって食べやすくなったものの
、もはやケチャップ味のカップ麺となり果ててしまった。
是非一度、本物のイタリア人に食してもらい、感想を聞いてみたい。
本社を中国台湾におく大手食品メーカー・旺旺集団。
元気いっぱいの〝旺旺(わんわん)坊や〟が目印だが、普段はせんべいやグミなど、
お菓子のパッケージにいるのを見かける人が多いだろう。
その会社が作ったカップ麺とは、果たしてどんな味をしているのだろうか。
と、ここで気になるのが、漢字にポツンと混ざっている「Q」というアルファベット。
これは中国台湾でよく使用される表現で、タピオカのような「弾力のある食感」を表している。
屋台など、食べ物関連の場所でこの文字を見かけたら、まずこの意味だと思っていいだろう。
なるほど、口に入れるとまさしく「Q」。
もちもち&つるつるしており、噛むのが楽しくなってくる。
麺は米から作っているというだけあって、にゅうめんのような味わいだ。
見た目ほどには辛くないので、おやつがわりにしてもいいかもしれない。
レトロなイラストが素敵な、中国台湾の統一企業が作ったカップ麺。
ローカルのコンビニやスーパーではまず見かけないが、
輸入品を多く扱う久光百貨の地下1階にあるフレッシュマートでは、
中国台湾や中国香港から仕入れたカップ麺のラインナップも充実している。
食べる前に気になるカロリーをチェックすると、
ほかのカップ麺が「KJ(キロジュール)」で表示しているのに対し、
日本人にも一目瞭然の252㌔カロリー。
量もカロリーも控えめなので、ダイエット中の女性にもいいかもしれない。
食べ始めると、細いビーフンが「肉燥」(肉そぼろ)と絡んでスルスルと口に入り、
あっという間に胃袋におさまっていく。
コショウがピリッと効いており、わさび風味のようにも感じられる。
値は少し張るが、一度試してみる価値はあるだろう。
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~上海ジャピオン3月4日号