あの列車に乗って行こう!
1号線の最北の駅富錦路へ 徐家匯から50分
新線開通の感動と利便性を5週連続で体験レポートする企画の最終回。1号線最北の駅には何が待っているのだろうか?
隠れた古鎮へ
周荘、同里、七宝。有名な水郷古鎮なので、実際足を運んだことがある人も多いだろう。ところで、「富錦路」の開通によってアクセスが便利になった古鎮があることはご存知? その場所とは「羅店古鎮」。元代から600年以上続く小さな街だ。
今回はこの隠れた古鎮を目指して、「徐家匯」より1号線を北上することにした。「徐家匯」から北の終着駅「富錦路」までのチケットは6元。乗り換えこそないが、全20駅を通過する長旅だ。
「富錦路」駅出口の様子
北上すること50分
「徐家匯」では、人でごった返していた車内だが、「上海火車駅」を過ぎると、乗客も一気に減る。そして列車は「徐家匯」から12駅目の「上海馬戯城」を過ぎた時点で地下から地上へ出る。
出発から約50分後「富錦路」に到着。駅を出ると、1号線の駅周辺とは思えないような殺風景な景色が広がる。工業地区といった感じだ。周囲にはバイクタクシーこそ多いが、車タクシーが少なく捕まえるのに一苦労した。
「羅店古鎮」へは、ここからタクシーで北西に約20分走ると見えてくる。料金は30元程度。「羅店古鎮」の小路には商店や青空市場が並ぶ。まだ観光地化されておらず、古い風情が好きな人にはオススメ。また、少し北へ行くと、「宝山浄寺」があり、周囲には姓名判断や手相を見る人たちが集まっていた。ここは現在拡張工事中で、今後は七宝のようになるかもしれない。
「羅店古鎮」にある宝山浄寺
アジア最大級の車庫も
ちなみに「富錦路」のもう少し北には昨年末に完成されたアジア最大級の地下鉄の車庫がある。なんでも8輌編成の地下鉄54本を収納できるとか。列車が並ぶ様子はさぞ圧巻だろうが、こちらは残念ながら、関係者以外は立ち入り禁止とのことだった。
◇ ◇ ◇
左の軌道交通マップを改めて眺めてみよう。意外と自分の行動範囲は狭いと思う人も多いのでは? この新線開通を機に、列車に乗ってまだ見ぬ上海を探しに行ってみよう。
【1号線情報】
全長 約37㎞
駅の数 28
始発 5時半
最終 23時
運行間隔 約3~5分
カラー 赤色
※2008年1月22日現在
1993年に開通した市内を南北に貫く軌道交通。現在1日の平均利用者数が最も多い路線でもある。各駅のホームの長さは約180mで、2号線と並んで市内最長。2007年末に「共和新村」から北へ3駅(約4㎞)ほど延長した。なお、延長3駅は全て地上駅となっている。
~上海ジャピオン2月15日発行号より