老北京を
オレはウルフ。ロードバイク好きの留学生。中国の国道を自転車で旅してるんだ。
ついに国道312号を走りきって半年ぶりに帰宅したけど、やっぱり家にいると落ち着かなくて今度は329号の旅に出ることにした。とはいえあんな5000㌔近くもの旅はキツいんで、今回は292㌔と短めだぜ。
329号は浙江省の杭州市から舟山市まで。途中で海を渡れるし、ローディーに人気なんだ。というわけで早速スタート!
杭州は前にも来たことあるけど、やっぱり西湖を見なくちゃな。船から見るのもいいけど、ロードバイクで湖畔を駆け抜けるのがまた格別さ~♪
さあこのまま道なりに進もう。ん? あのデカい川、もしかして「銭塘江」か! 逆流現象で有名だよな~、一番の見頃になる中秋節にまた来てみよう。
よし、いったんここで杭州の龍井茶と名物料理「東坡肉」で腹ごしらえとするか。
魯迅の故郷を走る
今回はのんびりゆっくり進もうと思ってたのに、もう75㌔地点。紹興市か、上海の近郊都市は大体来たことあるんだけど、観光地見て移動ばっかだったな。
この街でのお目当ては、なんてったってあの魯迅が幼少期に暮らした「魯迅故里」だ。その中の「三昧書屋」には、彼が遅刻した朝先生に怒られて、自分を戒めるため「早」って文字を彫った机があるんだ。
オレも大学の机に字を彫ったら教授に怒られたけど、あれもいつかこうして誰かが眺める…わけないな。
さて、明日は書道の偉人・王羲之(おうぎし)ゆかりの「蘭亭」を回るぞ。今日は紹興酒でも飲みながらプランを立てるとするか。
国道329号の旅は始まったばかり。さあ、次の街を目指してゴーイングハイウェイ!
~上海ジャピオン2015年6月5日発行号