智略に長けた林冲の弟子
曹正(そうせい)
ゆかりの地 安徽省蕪湖市南陵県
あだ名 操刀鬼
職業 家畜屠殺・料理人
宿星 地稽星
河南省開封市出身。開封府で先祖代々肉屋を営んでいた。後に商いで行き着いた先の黄泥岡(こうでいこう)近くで、居酒屋を開店。そこを訪れた楊志(ようし)に出会う。彼を助けたことが縁で、一時は二龍山に住むが、梁山泊に入り、宴会での調理を担当
豪傑を二龍山に入れる
山塞の宴会を彩る料理
曹正は東京開封府(現河南省開封市)出身の商人。梁山泊近くの黄泥岡(こうでいこう)の麓で、居酒屋を営んでいた。もとは開封府の肉屋で、肉をさばけることから付けられたあだ名が「操刀鬼」(そうとうき)。
「南陵大米」は安徽省を代表する米の品種。ツヤがあり、香りも良い
曹正の居酒屋にある日、宋軍の楊志(ようし)が入ってきた。彼は政府から命じられた財宝の護送に失敗し、持ち合わせの金もなく、失意のうちに黄泥岡を彷徨っていたのだ。曹正の店で食い逃げを働いた楊志を追った曹正だったが、相手は宋軍の名将、勝てるはずもない。相手がかの有名な楊志だと知った曹正は刀を収め、丁寧にもてなした。その腕を高く買った曹正は楊志に、山賊が巣食う二龍山に行くことを勧める。
あくる日、曹正が楊志を連れて山に向かうと、乱暴者として知られる魯智深(ろちしん)に行き合った。彼も同じく二龍山に登ろうとしていたが、入山を許されなかったのだという。曹正はそんな2人のために一計を案じる。山賊たちに、魯智深を捕まえたので献上に上がったと偽って、山に入ったのだった。楊志と魯智深は隙を窺って、盗賊の頭領を殺し、山を乗っ取った楊志と魯智深。2人は新たな山賊の頭領となり、曹正も加わることに。この後、虎退治の豪傑・武松(ぶしょう)も入山し、勢力を膨らませていった。
二龍山はその後、梁山泊の傘下に入り、曹正も好漢たちとともに梁山泊に移る。入山後は料理長として、宴会でその腕を振るった。食卓を豪華に彩る操刀鬼による料理は、豪傑たちを唸らせたという。
丫山海花石。Y字型の花崗岩が並ぶ、独特の景観が人気。毎年春になると、牡丹フェスティバルが行われる
曹正が方臘の戦いで赴いた安徽省蕪湖市南陵県。長江の支流が流れる肥沃な土地で、「南陵大米」という品種の米を産出。曹正がこの地に育まれた食材であつらえた料理に好漢たちが舌鼓を打つ姿が浮かんでくる。
【アクセス】
上海駅から蕪湖駅まで、快速列車で約7時間、軟座62.5元
~上海ジャピオン2014年6月20日号