激アツCSL(中国サッカー)

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外国人選手や監督を〝爆買い〟

2004年にスタートし、今年で13年目を迎えた中国サッカースーパーリーグ、CSL。近年、欧州リーグや各国の代表など、第一線で活躍する選手を中国クラブが破格の移籍金や年俸で呼び込んでいる。この〝爆買い〟によって、世界サッカー選手の年俸ランキングは激変。欧州の年間最優秀選手に贈られる賞「バロンドール」に何度も選ばれている、レアル・マドリードのロナウドやバルセロナのメッシらスーパースターを抜き、16年のトップには上海申花に移籍したテべスが躍り出た。なんと、その推定年俸3198万ポンド(約44億円)!

そんな中上海上港は、日本でもプレー経験のあるフッキや、イングランドのチェルシーに所属していたオスカルを引き入れ、戦力アップに着手。なお、オスカルの推定年俸は、先のランキングで4位になったと見られる。ボアスを指揮官に据え、CSL初優勝を目指す。

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強豪同士の首位対決を観戦

4月7日(金)夜に開かれた、上海上港VS山東魯能泰山の試合。前節までの開幕3試合終了時点で、全勝の首位・山東、1敗でそれを追う上海という構図だ。1部リーグであるCSLには16チームが所属、対決する2チームが各ホームタウンで1度ずつ計2回対戦するホーム・アンド・アウェーで計30試合を開催。その合計勝ち点数(勝ち:勝ち点3点、引き分け:各1点、負け:0点)で優勝を争う。

最寄り駅外で待ち構えるは…

このゲームの観戦に訪れた取材班、最寄り駅から改札を抜け、いざ会場へ…と、そこで待ち構えていたのは、真っ赤なユニフォームを着た上海サポーター、ではなく「要不要票!?(チケットはいるか)」と声を荒げる〝黄牛(ダフ屋)〟だった。値段を聞くと、1枚100~380元程度で、通常価格とさほど変わらず。

18時半頃会場入りするも、まだ人の姿はまばら。グッズ販売エリアを物色していると、「上港倶楽部(クラブ)・官方銷售点(正規販売店)」が掲げられたコーナーと、ただテーブルに商品を並べただけのスペースがある…。不思議に思ってよくよく見ると、前者のユニフォームは580元、後者は50元、同じ商品に見えるのに価格差約10倍!! 後者は非公認のグッズ店のようだ。公認と非公認が隣り合う奇妙な空間を抜け、手荷物検査を受けたら、いざスタジアム内に突入だ。

序盤から激しい攻防戦

上海体育場は陸上競技場を兼ね備え、400㍍トラックがピッチを囲む。取材班は120元席で、選手とほぼ同じ高さの目線で観戦できる位置とあり、臨場感溢れるプレーが見られると心躍らせた。サッカーゲームでお馴染みのメロディ「タータラターター♪」が流れる中、両チームの選手が入場する。赤のユニフォーム上海と白の山東、計22人の選手がピッチに入り、キックオフ。

選り抜きの外国人選手が、欧州リーグや代表戦で磨いたテクニックで試合をリードしていく。上海は精度の高いピンポイントパスに定評のあるオスカルと、パワフルなアクションや筋骨隆々な体格から〝ハルク〟というニックネームを持つフッキ、この元ブラジル代表コンビを中心に攻撃を仕掛ける。試合は前半10分に動いた。オスカルを起点にした上海のシュートはキーパーにはじかれるも、フッキがこぼれ球を押し込みゴーーール!  先制点を取られた山東だが、こちらも〝鬼軍曹〟と呼ばれる監督マガトの下でスパルタトレーニングを受けた猛者揃い。1点を取られたぐらいでは動じず、反撃を試みるも、前半は1―0の上海リードのまま折り返す。

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後半、山東の意地が炸裂

後半が始まるやいなや、山東が反撃ののろしを上げる。なんと、開始1分も経たずしてシセが得点を挙げ、同点に追い付く。これには、会場の大半を埋め尽くす上海サポーターも驚きのあまり声が出ず…。その後も山東が優位に試合を進める中、タンカーの如く山東陣営を攻めていたフッキが負傷交代。

終盤にドラマが訪れる

終盤に差し掛かり、選手たちに疲れが見え始め、両チームミスを連発。このまま引き分けか…と誰もが思い始めた矢先、後半37分に上海の背番号33、ウェイ・シーハオ(韋世豪)が、トップチームに昇格後初となるゴールを決める。控え選手や監督、そしてサポーター一同このゴールに興奮し、大歓声が上がる!! この若手選手の活躍で上海が見事勝利を収めた。

試合終了後、上海サポーターは勝利に酔いしれていた。ともにファンクラブに入会している父子は「今日は勝てて最高の気分だ。いい週末を過ごせる」と笑顔で答え、友人に連れられてきたと言う20代女性は「初めて観たけど、ものすごく感激したわ」と楽しげに話していた。世界で活躍する選手のプレーや監督の采配を目の当たりにでき、興奮冷めやらぬ夜であった。

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~上海ジャピオン2017年4月21日発行号

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