様々なタイプの辛味調味料
まずは、今回エントリーした辛味調味料をご紹介しよう。
おなじみ「老干妈(ラオガンマー)」は味のラインナップが10種類以上あるが、今回はスタンダードな「油辣椒(写真①)」と、豆豉(トウチ)が入った売れ筋の2種(写真②、③)がエントリー。中国人同僚から「老干妈は絶対豆豉(トウチ)入りがいい」との声が多く、期待が高まる。
一方別ブランドからは、辛い料理の本場、四川省産の「油辣子」(写真④)を。トウガラシとピーナッツのジャリジャリとした食感が楽しい。ほか、ニンニクがガッツリ効いた「虎皮蒜蓉辣醤」(写真⑤)と、具たっぷりの「好拌牛肉醤」(写真⑥)の、ちょっと変わった辛味調味料もセレクトした。
では早速次ページから、ナンバーワンを決める〝辛い〟戦いを始めよう!
白米の上で輝いたのは?
最初の対戦は、白いご飯の上。真っ白なリングで優勝したのは…③の牛肉入りラオガンマーだ!
細かく刻まれた牛肉と豆豉が食べ応えあり、ご飯のおかずに持ってこい。食べた後から込み上げる辛さが、次の一口を呼び込む。同じく牛肉が入った⑥も食べやすかったが、辛さもインパクトも足りない印象だった。
2位に輝いた⑤は、大豆が入っているからか辛味噌にも似た感覚で、混ぜご飯にしてもおいしそうだ。ただフタを開けた瞬間、強烈なニンニク臭が漂うのでご注意を。また3位の④は、今回最もクセがなく、どの食材にも合いそう。サラサラしているので、食べるラー油というより、ふりかけに近い感覚。ほか①②は、温まったからか、ちょっと油独特のベタ付きや匂いが気になってしまい下位に沈んだ。
酒の肴に野菜ディップ
晩酌時、野菜やチーズにソースを付けてポリポリ…というシーンを想定し、次なる決戦はディップで行う。
水分量の多いキュウリには、
豆豉がドッサリ入った②が圧倒的にオススメ。豆豉のコクとピリ辛風味で、キュウリが何本でも胃に収まる。一方、甘いが独特の臭いがあるミニキャロットには、①がよく合う。野菜の臭みをうまく緩和し、味をピリッと締めてくれる。
最後のチーズがやや曲者。ツルリとしていてソースがうまく乗らない…。試行錯誤した結果、⑤が一番合い、ピリ辛ミートソースみたいな味に。因みにラオガンマー3種は、チーズの臭みが絶妙に調味料の臭みを引き立て、相性がよくないと感じた。
総合的に見ると④と⑤はハズレなく、マルチに活躍できる調味料と言えるだろう。
和食、洋食でも活躍する
最後は、ネット上で見掛けた、ちょっと変わった組み合わせを試してみた。
まずはパンからチャレンジ。デニッシュパンの上にマヨネーズの円を描き、その中に各種調味料を入れる。思いがけずオシャレな見た目になったが…うん、おいしい。甘いパンと酸っぱいマヨネーズに、辛いラオガンマーが絶妙にマッチし、酒の肴にピッタリだ。ただ、油がパンに染みて手に付くのが難点。事前にパンを焼くとさらにおいしくなるかも。
また日本のラオガンマーファンが納豆に入れて食べていたので、そちらにもトライ。しかし入れた量が多かったのか、ラオガンマー入り納豆ではなく、納豆入りラオガンマーという感じになってしまった。
~上海ジャピオン2020年9月4日発行号