笑顔に仲間がついてきた
暖かな照明がエキゾチックな店内を照らし、客席からは笑い声がこぼれる。
ここは、鉄板焼き&焼き鳥店「エン グリルバー」。
店長の具志堅さんは、スタッフから親しみを込めてケンさんと呼ばれている。
店では自分以外、全員中国人。
今でこそ仕事の合間に冗談を言って笑いあったりもするが、初めは戸惑いもあった。
言葉が届かない
具志堅さんが同店で働き始めたのは、ちょうど1年前。
それまでシンガポールなどの日本料理店で経験を積み、転職した。
入店初日から店長を任され、張り切った。
だが、簡単な仕事すら言葉の壁に邪魔されてできない。
指示を出すにもスタッフの通訳が必要で、
思い通りに伝わらないもどかしい日々が続いた。
「店長としてのプレッシャーもあったし、半年ぐらいは精神的にしんどかった」
と当時を振り返る。
毎日を大切に
仕事が上手くいかないとき、
「それでも笑顔で仕事をしていた」というリーダーの姿に、
スタッフは自然と応えていった。
自身の中国語も上達し、店の約半数を占める中国人のお客さんとも、
固くならずに会話できるようになった。
人気メニューの「牛肉おろしポン酢」(32元)なども、今では中国語を使って説明できる。
今年の夏で30歳を迎える具志堅さん。
今後の展望はまだおぼろげだが、
「日々頑張ってやっていれば、きっと光が見えてくるでしょう」と前を見据えた。
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~上海ジャピオン1月8日号より