オススメポイント
同作は余華の最新長編小説として注目を集めており、この著者らしい独特かつ自由な文体で、主人公が死後7日間に見聞きした内容が記されています。書き出しの部分がとても特徴的で、読者の心をガシッと掴むとともに、ハラハラとしたスリルを味わわせてくれる作品と言えるでしょう。
物語の中で、主人公は生前に関わった様々な人に出会います。彼らとの対話や、客観的に様子を眺める描写などを交えて書かれており、真実と偽り、生きることの喜びと苦しみ、恨みや絶望など、人生について深く考えさせられます。中国語レベルはHSK4級くらいですね。
自分の死後7日間の世界とは…
主人公は楊飛という名の1人の男。彼が死んでからの7日間に渡る、世にも奇妙な物語です。彼は死後、なぜか自分の葬儀場へ行くよう促されるのですが、約束の時間に遅れ、火葬の順番が延びてしまいます。そして自分の順番を待っている間に、自身の墓がないことに気づき、焼かれた後に自分が一体どこへ行けばいいのか迷います。その後彼は、この奇妙な空間の中で、別れた妻と再会を果たし、さらには失踪した父親を探し出すことにも成功。そこで2人の愛情を知ることになります。
~上海ジャピオン2014年1月17日号