いけた花は、私の作品!
美並さんの紹介で伺ったのは、いけばなを楽しむ友井かおるさん。中国だからこそ、日本の美意識に目覚めた
上海で気がついた
日本のいけばなの魅力
上海での暮らしが、3年目を迎えた友井かおるさん。今夢中になっているのが、日本の草月流いけばなだ。
これまでも中国画、中国書道など、中国ならではの習い事に手を出してきたが、どれも今イチしっくりこない。そんな時、友人に付き合って、ごく軽い気持ちで始めたいけばなが、かおるさんにぴたりとはまった。そして半年たった今も、続けて教室に通っている。
「少ない花材を、いかにバランスよく配置するか。そういう感覚って、日本独特のものですよね。いけばなを習うようになって、改めてそれを感じています」
草月流の華道は、和花だけでなく洋花も積極的に用い、形式も比較的、自由度の高いのが特徴。かおるさんの通う、花市場の一角にある教室も、日本のポップスが流れるなか、中国人や日本人の生徒が、各自好みの花を選んでいける。一心に花に向き合うこと約2時間。最後に、中国人の先生ができあがった花を手直しする。
「いけ終わったときの、充実感がたまらないんです。少しづつ上達してきて、先生に褒められるのも嬉しくて」と、かおるさんは笑顔を見せる。
いつの間にか
花が身近なものに
いけばなを始めてから、建物のエントランスなどにいけられた花や、近所の花屋が気になるようになったかおるさん。上海では、花屋に置かれている花の種類が少なく、また、いけばなにあう花瓶や、剣山を置いて使う水盤が手に入りにくいのが悩みだと話す。
「でも、日本より花が安いので、失敗をおそれずに練習できるのはいいですね」
今日もかおるさん宅の玄関には、凛と美しいいけばなが飾られている。
はさみ、剣山と上海で集めた花瓶
友井かおるさん
中国画も飾られたリビング
物件情報
◇地区:長寧区◇間取り:2LDK 135㎡◇家賃:非公開◇築年数:10年◇サービス:家具家電込み、管理費込み、オートロック、日本人学校バス、BS1、BS2、スポーツジム、プール◇交通:地下鉄より徒歩3分
⇒NEXT WEEK
友井さん自慢のお隣さんは、
中国のピアノ、揚琴に惚れこんだ伊藤さん
弾きこなすのが大変、難しいとされる揚琴に挑戦し、中国文化の奥深さを実感。中国書道も、個展を開くほどの腕前!
~上海ジャピオン6月6日発行号より