考える男マートンと哲学の小部屋(トイレ)~Nepali kitchen

お疲れマートン
私は考える男マートン。
最近、哲学すべきテーマが多すぎて、
疲れ気味である。
日に日に未解決のテーマが増え…
ノイローゼになりそうだ!
すっかりやる気を失い、
思索中のテーマを放って、
巨鹿路のネパール料理店へ一服しに来た。
店内の内装は民族風で、座敷席が並ぶ。
そこで壁にもたれ、窓から外を眺めていると、
せかせかと結論のみを求める方法が
間違っていた気になるな。
こういう穏やかな時間が、
良い考えを浮かばせるのかもしれん…
よし!
やる気が出てきた。
小部屋(トイレ)へ行って哲学しよう。

浮かぶ5本爪の龍
雰囲気のある空間だ。
ほの暗い小部屋(トイレ)を、
妖しく照らし出すランプ。
光源が浮かび上がらせるのは…
なんと、5本爪の龍ではないか。
中国では、
5本爪の龍は〝皇帝〟を象徴する。
そしてこの〝帝〟という字は、
元々3本の線を束ねるという意味が転じて、
宇宙の全てを束ねる至上神を表すようになったという。
…ん? 待てよ。
哲学的解釈をするとつまり、
この小部屋(トイレ)には宇宙の全て、
すなわち「真理」があるということか。
これはのんびりしておれん!
早速哲学的思考を開始せねば!!
ありがとう、いい小部屋(トイレ)であった。

~上海ジャピオン2012年8月31日号

最新号のデジタル版はこちらから




PAGE TOP