キーワードは、〝粉〟と〝こねる〟
山本さんの紹介で伺ったのは、週に2~3度はパンを焼く鹿森利香さん。
今、気になるのは中国の〝粉〝料理だとか…。
日本産と外国産
粉を使い分けて
7年前、ケーキ作りを学ぼうと通いはじめたクッキング教室。ところが、鹿森利香さんの目は、隣で行われていたパン教室にくぎづけになった。
「〝こねる〟という作業が、とても楽しそうに見えて」
以来、熱心にパン教室に通い、講師のライセンスを取得、教室で生徒にパン作りを教えるようになった。今春、上海に引っ越してきてからも、時間があれば自宅でパンを焼いている。
バターロールやメロンパン、ベーコンエピなど、レシピは100種類以上。その中で利香さんが好んでいるのは、フランスパンや胚芽パンなど、バターをあまり使わない、シンプルな味わいのパン。日本から持ち込んだ粉を冷凍室にストックしているが、カルフールなどで手に入る外国産の粉も積極的に使っている。
日本産の粉はしっとりときめこまかな焼き上がりで、外国産の粉は膨らんでかさが出やすい。違いはあるが、「パンの種類に応じて使い分ければ、問題なくおいしいパンが焼けるんですよ」と話す。
(右写真)パンは朝食に食べることが多い
中華の粉料理の技を
学びたい
今、上海で利香さんの目をひくもの。それは、街角の食堂やフードコートで、当たり前のように見られる、〝手こね〟の風景。餃子やワンタンの皮、饅頭、刀削麺……。つい立ち止まってじっと見つめるため、家族に注意されることも多いと笑う。
「中華料理は粉を使ったものが多いせいか、中国の人って粉の扱いがとても上手だと感じるんです」
今後は、点心の作り方を習いたい、中国の地粉を使ってパンを焼いてみたい、と話す利香さん。上海ならではの、オリジナルパンが誕生する日も近そうだ。
オリーブオイルを使った生地でピザパンを製作中
鹿森利香さんと愛犬のハナ
⇒NEXT WEEK
出身は北海道だけど…
沖縄に魅かれ、独学で
サンシンを弾く満山さん
~上海ジャピオン11月14日発行号より