考える男マートンと哲学の小部屋(トイレ)~UNICO

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外灘の〝ユニーク〟店
私は考える男マートン。
今日は、私の好きな音楽家がライブを行うと聞き、
外灘3号の2階にあるバー「UNICO」に来ている。
そう言えば、UNICOとは、
イタリア語で「ユニークな」という意味だったな。
今宵は、店のどこがユニークなのか、
控えめに飲んで観察するか。
おっ、ライブが始まるな。
先に小部屋(トイレ)に行っておこう。

神通力を得るには
手洗いスペースは半共有で、
流しの上部のみが鏡で仕切られ、
男女は部屋が別でありながら、
同じ流しを使用することになる。
簡易的な仕切りで男女を分けていた、
昔ながらの銭湯の脱衣所を思い出すな。
銭湯か。
せんとう…仙洞…もしや、修業を積み、
神通力を操る仙人が住む、
俗界を離れた清浄な場所「仙洞」を指すのか?
しかしここは、賑やかなラテンや流行の音楽が流れ、
うまい酒や美食を楽しむ店で、
静謐な仙洞とは正反対だ…そうか!
店名から考えるに、これはたとえ逆の立場であっても、
ユニークな観点を持ちつつ修業すれば、
神通力のように巨大な力を手に入れられる
という哲学を表すのだな。
よし、私もいつもと違った発想を得るため、
今日は飲みまくるぞ!
ありがとう、いい小部屋(トイレ)であった。

 

~上海ジャピオン2013年3月29日号

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