日本で学んだ〝思いやり〟の心
都甲さんの紹介で伺ったのは、日本で働いた経験のあるアメリカ人のケリーさん。
ケリーさんの感じた日中の違いとは?
納豆や刺身も大好き 日本語と文化を吸収
金子蹴子――。
「かねこけりこ。これが私の日本名です」といたずらっぽく笑うケリー・プライスさん。
手に持っているのは、『名探偵コナン』のマンガ本だ。
大学時代、京都に留学し、日本語と日本文化について勉強していたケリーさん。
和太鼓のサークルに参加し、日本人の友達も多く、周囲の人が驚くほど、日本の生活にすっかり馴染んでいたという。
中でも、漢字にはルビがふられ、ストーリーも面白いマンガには、すっかり魅了されたそうだ。
日本語を話すのが大好きなケリーさんは、大学卒業後、東京で就職。同僚のほとんどが日本人という環境で働くなか、ケリーさんはあることを学んだ。
それは〝思いやり〟の大切さ。
「日本人の多くが、相手が今、どういう気持ちかということ考えます。私も、もっと思いやりを持つようにしなければ、と考えるようになりました」
自由な学生時代を過ごしたこともあり、ケリーさんにとって、日本での生活は〝楽しかった〟のひと言につきるという。
そして今度は、転勤で中国・上海へ――。
(写真右)今でも日本語の勉強のためマンガを読んでいる
日本と中国 隣でもこんなに違う
日本で長く暮らし、すっかり日本語と日本人に慣れ親しんでいたケリーさん。
中国で働き出すと、隣の国とはいえ、たくさんの違いがあることに気がついた。
とくに驚いたのは、同僚の中国人たちが、はっきりと自分の考えを主張すること。
「日本人は、自分を抑え気味にすることで、逆に中国人は自分を出すことで、仕事をスムーズにすすめます。どちらが良い悪いではなく、〝違う〟んです」
日本と中国。2つの国での経験を経て、ケリーさんの知識と経験はますます豊かになっていく。
(写真上)ケリーさん愛用の太鼓のバチと笛
ケリー・プライスさん
⇒NEXT WEEK
月や花、鳥をモチーフにオリジナルのアクリル画を描く新谷さん
~上海ジャピオン12月19日発行号より