自慢のお隣さん 第145ノック 新谷さん宅

「自分の絵」を描き続けて…

ケリーさんの紹介で伺ったのは、やさしげで大人っぽいアクリル画を描く新谷さん。
上海へ来て、色づかいが変わったそう。


「絵を描きたい」 長年の想いを行動に



やわらかなラインで、シンプルにデフォルメされた花や木のモチーフ。色づかいは、女性らしさを漂わせながらも涼やか。
新谷道子さんは、そんな絵を描いて15年以上になる。
 道子さんが絵を本格的に描きはじめたのは、短大を卒業した後のこと。
もともと、絵が好きで美大志望だった道子さんは、福岡で就職しても絵の道をあきらめきれず、東京で絵の勉強をすることを決意した。
 日中は仕事、夜はアート系の専門学校へ。
当初は、依頼された題材を描くイラストレーターを目指していたが、絵を学ぶうちに、花や月、鳥など自分の好きな自然のモチーフを描くようになっていった。

「一人暮らしの女性が、夜、家に帰って見ると、ほっとするような絵が理想なんです」

 結婚後、さらに絵に没頭し、百貨店のアートコーナーなどで、絵を扱ってもらうように。
それから子供が産まれ、ご主人の転勤で3年半、アメリカに滞在。
日本に戻り、今年の4月に上海に来るまで、程度の差はあれ、ずっと絵を描き続けてきた。

(写真右)田子坊のcholon、浦東の芳元軒(中国茶教室)などで販売中

上海のパワーに 負けない色づかいを



小学生二人の男の子の母でもある道子さん。
忙しい毎日だが、週に一度は、子供を学校に送り出すと、昼食もとらずに絵を描くことに専念する。
茶器やチャイナ服、金魚など中国らしいモチーフを、ポストカードに。
花市場で見つけた蓮は、大きな作品にしたいとイメージを膨らます。
そしてふと気がつくと、今までとは色づかいが変わってきていた。
「日本では選ばなかった、反対色を合わせるようになっていました。
同系色の組み合わせは、ここでは、弱すぎるようで」
 道子さんの人生を映しながら、絵も軽やかに変化してゆく。

(写真上)和紙を張り込んだ下地が、あたたかな雰囲気をかもす

新谷道子さん

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~上海ジャピオン12月26日発行号より

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