考える男マートンと哲学の小部屋(トイレ)~フェアモント・ピース・ホテル

matong

 

風邪引きマートン

私は考える男マートン。今晩は、かの有名なオールドジャズバンドのライブ予約が取れたので、風邪気味の身体を押して「フェアモント・ピース・ホテル」まで来た。
同バンドは平均年齢75歳という奏者たちによる、深みのある演奏が特徴だ。さて、開演前に小部屋(トイレ)へ行って解熱剤を飲んでおこう。

ノー解熱剤の哲学

おお、床には美しい色彩のモザイクが。そもそも部屋全体が、淡く輝くパールがかった色味で統一され、繊細で華やかな空間を演出している。…ふむ、音楽にパールと言えば、女性シンガー、ジャニス・ジョプリンの遺作アルバム『パール』を連想するな。

彼女は、60年代を代表するシンガーと称され、現在も多くのファンを持つが、私生活では人間関係に恵まれず、孤独を抱えていたようだ。死因は、ドラッグの過剰摂取と言われ、『パール』のレコーディング中にこの世を去った。そう言えば、このホテルの南棟、以前は「パレスホテル」という名で、初の「世界反麻薬連盟」の会合が開催されたと聞く。なるほど、この華やかな空間は、反薬物、愛音楽の哲学を主張しているのだな。私も、ノー・ドラッグの精神で、熱は気合で下げよう。ありがとう、いい小部屋(トイレ)であった。

~上海ジャピオン2013年11月29日号

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