考える男マートンと哲学の小部屋(トイレ)~山間堂民間瓦缸煨湯

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ノロケにうんざり

私は考える男マートン。今日は友人と中華スープの専門店へ来ている。彼は最近結婚したばかりなのだが、妻が毎日張り切ってご馳走を作るため、あっさりしたスープが恋しくなったんだと。…これはノロケだよな。

ん、何? 最近の悩みは、妻がすぐヤキモチを焼くこと? …さっきからずっとこの調子でノロケ続けている。付き合いきれん! 小部屋(トイレ)へ行ってくる。

嫉妬の怖さの哲学

ほう、なかなか凝った造りだな。天井付近には、ガラス張りの展示スペースが設けられ、壷が並んでいる。これはやはり、中華スープを入れる壷をイメージしているのだろうか。中華スープと言えば、ユーミンこと荒井由美の作詞・作曲による『CHINESE SOUP』が頭に浮かぶ。

この曲の歌詞は、女がスープを作りながら男の帰りを待つ情景を表現している。SF作家・新井素子の小説『ひとめあなたに…』では、妻が不倫をした夫を殺害した後の、恐ろしいシチュエーションで登場し、怖い曲としても有名だ。尽くすのが好きな愛情深いタイプは、嫉妬するとより恐ろしくなるのかもしれん。…友人に嫉妬の怖さを教えてやれば、ノロケも止むかもな。ありがとう、いい小部屋(トイレ)であった。

~上海ジャピオン2014年1月17日号

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