考える男マートンと哲学の小部屋(トイレ)~Cotton’s

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斬新なアイデア

私は考える男マートン。今日はデザイナーの友人と、西洋レストラン「コットンズ」に来ている。

彼は「斬新なアイデアが欲しい」が口癖で、今晩もことあるごとにつぶやいているが、いい加減耳タコだな。よし、私が斬新な提案をして助けてやろう。小部屋(トイレ)へ行ってくる。

バロメッツの哲学

陶器製の洗面ボールと台座。淡い水色に深緑で花が描かれ、ある種幻想的で幽玄な中国画のような趣がある。ん? ちょっと待てよ、コットンに幻想…空想上の植物「バロメッツ」ではないか?

バロメッツには子羊が生るという。形状は、メロンのような果実の中に羊が入ってる説や、植物部分と羊が茎でつながっている説がある。そのほか、羊の蹄は羊毛でできているだの、身はカニのような味がするだの、いかにも空想的な特徴が文献に記されている。元々綿が存在しなかったヨーロッパに輸入されるようになり広まった説のようだ。身近なものの掛け合わせで、斬新なアイデアが生まれることもあるのだな。友人には綿と羊、そして新要素として小部屋(トイレ)を加えたイメージを提案しよう。ありがとう、いい小部屋(トイレ)であった。

~上海ジャピオン2014年2月7日号

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