ハワイアンキルトを自分の手で
小島さんの紹介で伺ったのは、ハワイアンキルトを作る大澤由美子さん。
少しずつ仕上げていくのが楽しいのだそう。
去年のクリスマス用に作ったタペストリー
無数のステッチが生む
キルトのぬくもり
白地に映えるピンクの花。
シンプルな形の花を彩るように、無数のステッチが施されたハワイアンキルトのバッグを見たとき、大澤由美子さんの胸は高鳴った。
「第一印象は、かわいい! すぐに、自分でも作ってみたいと思いました」
しかし当時、由美子さんは、すでに上海への引越しを間近に控えていた。
バッグの持ち主であった友人に、小さなポーチの作り方だけならうと、すぐに上海へ。
由美子さんのキルト作りは、本などを参考にしながら、独学でスタートした。
まず、本などを参考に柄を決めると、モチーフを切り出す。
そのモチーフを地の布にアップリケし、キルト芯、うら布と重ねて、周囲をステッチ。
その後、モチーフの中に模様となるステッチを施し、さらにモチーフの周囲を幾重にもステッチすると、ハワイアンキルト特有の水紋のような図柄が浮かび上がってくる。
手縫いでひと針、ひと針、縫い上げて完成する、根気のいる作業だ。
双子の娘たちのためのバッグやハイビスカスのティーコゼ
カラフルなハワイの
自然をモチーフに
モチーフは、花や葉、サンゴ、亀など、ハワイの自然をテーマにしたものが多い。
同じモチーフでも、最初のアップリケで雰囲気が変わるので、細心の注意を払うと由美子さんは言う。
キルト芯や発色のいい布は日本で購入しているが、プリント柄やムラ染めの布は、上海の布市場などで手に入るそうだ。
「針仕事は、子どもが寝静まった後に。
やっと出来あがったときの達成感はたまりません」
これからは、布の扱いが難しいシルクのキルトや、ベッドカバーなどの大作にも挑戦したいと話す。
由美子さんの手から、ハワイの自然を思わせるキルトが生み出されていく。
大澤由美子さん
⇒NEXT WEEK
花など立体物を造形
ソフト粘土に熱中する
藤原安子さん
~上海ジャピオン6月12日号より