民族訪ねて三千里~第7回

蒼き狼と白き牝鹿 果てしない地平線
モンゴル、と聞くと
広大な草原や遊牧民を連想しがちだが、
遊牧生活を営む人口は減少し、
北のモンゴル国との国境地域に
わずかに残るのみである。

モンゴル史を記した歴史書『集史』には、
チンギス・ハン即位の場面が描かれている

13~14世紀に書かれたとされる
歴史書『元朝秘史』には、
〝上天より命ありて生まれし蒼き狼ありき。
その妻なる惨白き牝鹿ありき〟
の一節で始まる始祖伝説が残されている。
灰色の狼と白鹿の間に生まれたバタチカンが
モンゴル族の始祖で、
その10代目のドブン・メルゲンは
他族のアラン・ゴアを娶った。
ドブンの死後、
光がアランに生ませた子ボドンチャルが、
チンギス・ハンの祖先に当たるというものだ。
さらには、アランの不貞を疑った子どもたちに対し、
アランが子どもたちを5本の矢に喩えて
信頼と結束を教えたという。

街中でも、たびたび馬頭琴とホーミーの
演奏を見ることができる

モンゴル族の伝統音楽といえば
モリン・ホール(馬頭琴)に三弦、
そしてホーミーが有名。
内モンゴル自治区は観光地としても名高いため、
伝統音楽の伝承が推奨されている。
ホーミーは喉から、
笛のような低高音2つ(時には3つ)を
同時に出すことから
「スロート・シンギング(喉歌)」とも呼ばれる。
現在ではホーミーのバンドや歌手が
世界的に売れるなど、
少数民族の音楽としては
最も知名度の高いものといえる。

空の青、草原の緑にゲルの白がよく映える

内モンゴル自治区の省都・フフホト市は都会だが、
自治区の北東部に位置するフルンボイル市付近には、
いわゆる「モンゴルの大草原」が広がる。
360度、多少の起伏はあれど、
果てしなく続く地平線に囲まれ、
草原の風を浴びながらホーミーを聴く、
そんな夢のような旅もたまにはいい。

~上海ジャピオン8月26日号

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