真理の旅手帖:驚きの中国文明、天文台

 娘と2人で初めて中国国内の旅に出たのは、昨年秋のこと。鄭州2泊3日の旅だ。現地に友人家族がいるので、アテンドをお願いした。挨拶程度しか喋れない中国語に不安がよぎる…。しかし、ちょうど同じ年頃の子供がいたこともあり、すぐに打ち解け合い快適な旅となった。
 初日は城壁の古都・開封。ちょうど菊祭りが開催されており、メイン会場の龍亭公園では宮殿を背に、色とりどりの菊が展示されていた。その前には、宋の町並みが再現されており、茶館に立ち寄り家族対抗で五目並べをして楽しんだ。
 2日目は少林寺へ。街には様々な拳法のポーズをした銅像が並び、住人全員が拳法の使い手のような錯覚を覚える。学校では学生達がすごいかけ声を上げながら、技の練習に励んでいた。寺の内部がまた凄い。石畳みの床には修行によって刻まれた窪みがあり、どうやったらこうなるの?というくらいボコボコになっている。ここでは技の実演も行っており、迫真の演技の数々を目の当たりにできた。
 そして娘が「この旅の中で一番面白かった」というのが、鄭州に帰る途中にある天文台。「観星台」と呼ばれ、中国古代の天文技術の正確さを示す建築物として、ディスカバリーチャンネルにも登場するほど有名だ。館長自らが博物館と展示物を説明してくれ、内容も興味深いことばかり。元の時代にグレゴリオ暦と一致する正確な測定技術を持っていたことに驚かされた。意外なことに娘は「これ学校で習ったよ」と興奮しながら説明を聞いていた。
 最終日は世界遺産・龍門の石窟。川辺に何代にも渡って彫り続けられた石窟が並んでいる。日本語ガイドもいなかったので、自分のペースで眺めていたら、最後にあっと驚く巨大且つ美しい仏像が現れた。この雄大な石像を、川からの風に吹かれながらのんびり眺めていると、昔それを作った人の心に思いをはせることができた。
 今回は、四千年の歴史と世界に誇る文化を感じる旅だった。ただし、国内旅行は入場料が値上がりしてシステムが変わっていることが多いので注意。又ツアーに参加するより、知り合いにアテンドを頼んだほうが、自分のペースで回れ、思わぬ見どころも発見できる。次回は、白鳥城のミュンヘンへ飛ぶ。
(旅の詳細、感想などはこちらの個人アドレスまでmaritabi@mail.goo.ne.jp)

<ツアーを組みます>
ウエスト駐在員ツアーセンター
ファンタスティック洛陽2泊3日
(3月出発の場合)
大人  3,920元~
子ども 2,540元~
交通機関の費用、ホテル代、ガイド代、入場料、食事代込み
※天文台は通常日程に含まれていないため、入場料別途要40元
TEL:5109-8282
FAX:6247-6061

~上海ジャピオン2006年3月24日発行号より

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