真理の旅手帖:おとぎの世界と本場の味にひたる

 シンデレラ城のモデルとなった白亜の城ノイシュバンシュタイン城。アルプスの山々に囲まれ、湖を背に建つ姿は、誰もが夢に思い描くお城そのもの。それもそのはず、19世紀後半、バイエルンの国王ルードビッヒがワーグナーの影響を受け、彼の夢の世界を再現して建築させた城なのだ。
 昨年秋、エーゲ海クルーズの途中にミュンヘンへ立ち寄った。ドイツ、ロマンティック街道の終盤にあるバイエルン地方には、数多くの城がある。現地のツアーバスに乗り、2つの城を観光した。
 最初に訪れたのは、ベルサイユ宮殿を模したリンダーホフ城。内部の豪華さもさることながら、滝と吹き上がる噴水の庭が印象的だった。この城で一番興味深い場所は、「タンホイザー」のオペラのシーンを再現したビーナスの洞窟。洞窟内の池に貝の船が浮び、19世紀当時の最新の技術を駆使した水中照明や波動装置が幻想的な世界を映し出している。
 そして、いよいよノイシュバンシュタイン城に到着。晴れた秋の日、マリエン橋の上から見ると、下を流れる滝とお城の姿は絵画のよう。娘も城を目にして感激の声をあげていた。内部の見学は、各国語のイアフォンサービスがあるので言葉の心配はない。部屋に入るとワーグナーの音楽と共に城内の説明が流れ、オペラの世界へと誘ってくれる。
 ツアーの後は食事も美味しいと有名なビアーホール「アウグスティーナーケラー」へ。路上ではチェロを奏でる男性や銅像のまねをするパフォーマー、市庁舎では人形が回転する仕掛け時計と、中世の世界を彷彿させる。上海にある老房子や外灘の建物がお気に入りの私達だったが、荘厳な本物との違いに胸を打たれた。
 お店に着くと、ドイツ人が既にジョッキを傾けて歌を歌って盛り上がっていた。お酒の飲めない娘にボーイがこっそりオモチャを差し出してくれ、退屈していた娘は大喜び。ホテルは、現地の観光案内所に紹介してもらった2つ星ホテル。意外と広く清潔感もあり、素敵なペンションのようだった。
 ドイツの旅で印象的だったのはケーキとお茶の美味しさ。美しい花々に彩られた街を眺めながらもう一度ケーキを食べに、上海から脱出したい思いに駆られる。写真だけではなく、目と舌でヨーロッパを実感しに行ってほしい。次回はエーゲ海クルーズへ。

<今回利用したホテル・ツアー・航空券>
・グレイラインバスツアー
大人43ユーロ (洞窟は別見学)
http://www.grayline.com/
・HOTEL EDER(ホテル エダー)
90ユーロ(3人1部屋、朝食付き)
http://www.hotel-eder.de/
・航空券:ウエスト駐在員センター
ミュンヘン往復(5月出発の場合)
8,500元~+税金
(上記料金の制限条件については下記までお問い合わせ下さい)
TEL:5109-8282

~上海ジャピオン2006年4月7日発行号より

最新号のデジタル版はこちらから




PAGE TOP