イルカに会える街

オレはウルフ。ロードバイク好きの留学生。中国の国道を自転車で旅してるんだ。

一夜明けて湛江市。今日は台風一過の雲一つない青空！　昨日足止めを食らった分、今日はガンガン進むぜ。

さっきの湛江市がこの道の最南端で、今日からは徐々に北上していくぜ。海沿いの気持ちいい道も次の欽州市までだな。今回は行けないけど、この市の観光スポット「三娘湾」には〝海のパンダ〟と称される「中国白海豚」ことシナウスイロイルカなんかが住んでいて、ドルフィンウオッチングができるそうだ。

〝三娘〟という地名には、こんな伝説があるんだ。その昔、三人の仙女が村の青年たちと結婚したことを怒った仙人が海を荒し、青年を殺してしまったんだ。それでも仙女は夫の帰りを待ち続け、岩に姿を変えた…って、同じような話、茂名市でも聞いたぞ。この辺りは悲劇の伝説が多いな。昔から、海は恐怖の象徴だったんだろうな。

 

欽州市民のソウルフード

とか物思いに耽っているうちに、欽州市に到着。とりあえず腹ごしらえっと。ここの名物はなんといっても「欽州猪脚粉」だな。米粉の麺に、豚足をのせたシンプルな料理だけど、昔から〝神仙也打滾（仙人も転げまわるほどうまい）〟って言うほど、欽州市民はこの料理が大好きなんだ。最近もネットで「猪脚粉の歌」が大流行したぐらいだから、相当この料理を愛しているんだろうな。

おっ、評判通りピリ辛で、うまい！　これで１杯８元はコスパも最高。よし、馬力もつけたし、明日は一気に終点を目指すぞ。さあ、次の街を目指してゴーイングハイウェイ！

 

 

 

～上海ジャピオン11月20日発行号