食道をゆく 第24回 夫妻肺片

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フーチーフェイピエン
夫妻肺片
~四川省成都市~

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ピリリとした辛味の夫妻肺片を食べて、食欲増進

実は肺は入ってない!?
名物仲良し夫婦が発明

 数種類のモツを辛く煮込んだ夫妻肺片は、四川省ではごく定番の前菜だ。
日本人にはあまりなじみがないかもしれないが、食欲を増進させる、正に前菜にうってつけの一品なのだ。
 名前からして動物の肺を使用した料理なのかと予測されるだろうが、
主に使用されるのは牛の胃袋・腸・舌・心臓などで、肺は一切使用されていない。
では、何故このような名前になったのか? 
その謎を紐解くには、清朝末期まで遡る必要がある――。
 当時、成都市で肉屋を営む郭さんと張さんという夫婦がいた。
彼らは生きていくのがやっとの貧しい暮らしだったが、2人で助け合いながら仲睦まじく暮らしていた。
 牛肉は当時、肉だけを食べて内蔵は全て捨てられるのが一般的だった。
そのことを痛ましく思っていた夫婦は、何とかこれを商売に出来ないかと考え、
捨てられた部分(=廃片)に辛味をつけて売り出したところ、これが大流行り。
しかし、名前が「廃片」では聞こえが悪いとのことで、
中国語で同音の「肺片」と改名し、売られることになったのだ。

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都江堰は、世界文化遺産に登録されている古代の水利・灌漑施設。
紀元前3世紀に、洪水対策として築造された

 さらにある日、常連客だったいたずら好きの学生が、仲睦まじい夫婦を茶化して、
「夫妻肺片」と書いた紙をこっそり店に貼り、「さあさあ、夫妻肺片だよ~!」と売り出した。
このことでさらに評判を呼び、四川料理として全国に広まっていったのだ。
その後、夫婦は裕福な暮らしができるようになり、幸せに暮らしたという。
 1皿20~30元程度の夫妻肺片。
仲良し夫婦に負けじと、皆で箸をつつきに行こう。

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【アクセス】
①上海浦東空港から成都まで飛行機で約3時間
②上海駅または上海南駅から空調普通快速に乗り、成都駅まで。約35時間、硬座257元~

~上海ジャピオン3月12日号より

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