ザ・サバイバルゲーム~撃って撃って撃ちまくれ~

今回お邪魔するのは、
「GLSA?戦大聯盟・浦東世界広場店」。
同店では、レーザーガンを使用した、
サバイバルゲームを楽しむことができる。
上海に限らず、中国の若者たちが熱中し、
日々こぞって通うこのゲーム。
さてその魅力とは?

サバイバルゲームとは?
まずは、サバイバルゲーム(生存遊戯)
について説明せねばなるまい。
サバイバルゲームは、日本ではサバゲーなどと略され、
主にエアソフトガンとBB弾を使って行う、
擬似戦闘ゲームのこと。
アメリカでは「エアソフト」と呼ばれ、
ペイントボールと並び、人気が高いとか。
しかし
「ペイントボール弾が顔に当たってケガをした」
などという事件もあったためか、
上海ではさらに安全な、
レーザーガンを使用したタイプが多く見られる。
「サバイバルゲーム愛好家というと、
『戦争が好きなのか』と言われますが、
全くもって違います。
多くは歴史に残る決戦の再現などをする
〝歴史愛好家〟なんです」
と話すのは、サバイバルゲーム場で働くSさん。
言われてみれば、
取材班で取材前からテンションが上がっていたのは
歴史オタク(とゾンビオタク)だった…。

いざゲームスポットへ
期待を胸に取材班が出かけたのは、
浦東新区は軌道交通2号線「東昌路」駅近くにある
「世界広場」。
ビル周辺には、
のどかな休日を過ごすカップルや家族連れが溢れる。
出迎えてくれたスタッフと共に地下に降り、
受付を済ませて待合エリアへ。
ほかにも2人、5人、7人連れが順番を待っていた。
取材班は4人連れだったのだが、
人数がある程度いた方が楽しいよ、とのアドバイスを受け、
ほかの客と合同チームを形成し、9対9でプレイすることに。

アイスブレーキング
とはいえ、
初対面同士がそう簡単に打ち解けられるかな…と
思っているところに、
迷彩服を着たスタッフたちが
レーザーガンやベストを手にやって来た。
「このゲームには、チーム力と瞬発力が重要だ! 
というわけで、今からトレーニングをする!」と声が響き渡る。
先程までのにこやかな様子とは打って変わって、
教官的な佇まいのスタッフたちだった。
喋り方まで違う…。
スタッフに言われるがママ、プレイヤー18人は円形に並び、
〝007ゲーム〟なるゲームに臨むことになった。
これは日本の〝せんだみつおゲーム〟
とそっくり同じルールで、
瞬発力のないチームメイトに大笑いするうち、
いつのまにか不思議な連帯感が生まれていた!
では、早速、サバイバルゲームをスタート!

装備無くしてゲームなし
ゲーム開始の前に、まずは装備について説明しよう。
身に着けるのは、ヘルメットとベストのみ、
そしてレーザーガンを持つ、というスタイル(写真①②)。
えっ、これだけ? 
迷彩服着たい…と思わず呟いてしまう取材班(写真③)。
しかしお手軽なところもこのゲームの魅力なのだよ、
と互いに言い聞かせ、次の指令を待つ。
ベストには番号が振られているので、
各自自分の番号をチェックし、記憶しておく。
そしてヘルメットの後頭部と、
レーザーガンから伸びるケーブルを、
それぞれベストの左肩と右腰部に接続(写真④)。
きちんと接続されていれば、
自分の弾が何発命中したかなど、
スコアが記録されるというシステムだ。
また、ベストの前部に5カ所、
ヘルメットに3カ所のセンサーが付いており、
ベストに1ヒットすると20ポイント、
ヘルメットで30ポイントが加算される。

キャプテン・ヨウヘイ
センサーを目印に
次は戦地となる内部の見取り図を囲み、戦略を練る。
とはいえ、みんな初めてで、何をどうしたらいいか…えっ? 
取材班のヨウヘイをキャプテンに? 
…まあいいか、とりあえず出陣!
スタッフ改め教官から中へ入るよう指示があり、
自分の陣地に入った所で、戦闘開始のブザーが鳴る。
(写真⑤)。
ヨウヘイキャプテンがもの凄い勢いで敵地へと走っていく。
なるほど、先攻あるのみということだな。
戦地は暗闇なので、見取り図を頭に描きながら、
障害物に隠れつつ、中腰で前進する(写真⑥)。
今回は取材班4人を含めた味方チームが
黒のベストに赤センサー、
敵チームが緑のベストに青センサーなので、
青い光が見えたら迷わず撃つべし(写真⑦)。
所持する弾の総数は600発、
1度に30発まで撃つことができ、
なくなったらレーザーガンを上か下に向けると
「カシャカシャ」という音がし、装填される。
相手に命中すると、
「ギャア~」という音が背部から聞こえ、
逆に被弾すると、ベストがブルブルッと震えて、
一時的に弾が撃てなくなる。
ブルブルッと何度か震動を感じているうちに、
ヨウヘイのベストが光らなくなった。
名誉の戦死だ。
だがヨウヘイは気づかず、亡霊のように撃ち続けている。
キャプテンを失った今、どうすべきか…
というところでチーム・ヨウヘイの全滅により、
1ラウンド目が終了するのだった(写真⑧)。

敗北の原因を探る
2ラウンド目は挽回
「あまりにも戦略がなさすぎる」
と教官からの厳しいお言葉を頂き、反省の時間。
再び見取り図を取り出し、特攻は4人、陣地守備が2人、
中堅に3人と配置を決める(写真⑨)。
さらに教官は
「特攻だからと言って、どんどん前へ行くな。
まずは敵が近づいてくるまで動かず、敵が見えたら撃ち、
少しずつ距離を縮めるんだ」と戦法を伝授する。
さすが、とキャプテンであるはずのヨウヘイを無視し、
教官を慕う8人。
陣地を交代して、第2ラウンドが始まる。
取材班4人のうち、
ヨウヘイが特攻、2人が中堅、1人が守備に就く。
それぞれ柱やドラム缶、積み上げた砂嚢の陰に隠れ、
敵がやって来るのをじっと待つこと数分。
足音こそしないが、遠くに青いライトが見えた! 
自分のヘルメットとベストのライトが
敵に見えないよう注意しつつ、
しっかり狙って撃つ(写真⑩)。
「ギャア~」という音を聞き、
思わず笑みがこぼれる(写真⑪⑫)。
時々被弾することもあるが、
1人、また1人と敵チームを着実に潰していく。
周囲にいる味方の赤いセンサーを確認しながら前進し、
じりじりと距離を縮めて敵地へ乗り込む。
なかなか良い感じだったが、時間切れで2ラウンド目も終了。

ゲーム後はスコア表彰
まさかの罰ゲーム
短い時間ながら、取材班を含めみんな少々息を切らしている。
ヨウヘイは汗だくだ。
暗闇効果でつい夢中になってしまう、
これがサバイバルゲームなのだ。
ゲーム終了後には、ロビーにて表彰が行われる。
取材班はそこそこ良い成績を修めたようで、
ポイントの高い順に次々と番号が呼ばれていくが、
ヨウヘイの番号は読み上げられないままだ。
まさか、と思ったその時、
「では、1発も当たらなかった者を発表する」
という教官の言葉と共に、ヨウヘイの番号が告げられた。
キャプテンなのに、とか、あんな猛攻しておいて(写真⑬)、
などと冷たい言葉を浴びせられ、苦笑いのヨウヘイ。
さらに、
「我是帥哥、我愛美女(オレはイケメンだぜ、美人が好きだ)」
と叫びながら腕立て伏せ10回という罰ゲームが与えられる
(写真⑭)。
これは見ている方も恥ずかしい。

ビギナーは団体戦から
人数や気分で選べる
今回はほぼ全員が初めてということで、
ベーシックな「団体攻防戦」でのプレイとなったが、
ほかにも最後の1人になるまで戦う「殲滅戦」、
自分以外は敵となる「個人戦」など、
様々な遊び方があるという。
人数や気分に合わせて、遊び方を変えるのも、楽しむコツだ。

みんなで記念にパチリ
翌日はお約束の筋肉痛
それほど多く言葉を交わしたわけではないが、
共に闘い汗を流した仲間たちと記念写真を撮影(写真⑮)。
結果はどうあれ、じゅうぶん楽しむことができた。
「ハロウィンやクリスマスには、イベントもやってるよ!
またおいで!」と教官たちに見送られ、
取材班は帰路に就いた。
翌日、長時間の中腰姿勢から来る筋肉痛に見舞われたのは、
言うまでもない。

~上海ジャピオン11月18日号

最新号のデジタル版はこちらから




PAGE TOP