Let’s DIY! 週末だけで作れちゃうオリジナル革製品

まずはイメージ固め
今回革製品作りを体験したのは、
烏魯木斉南路にある
「Yan Leather studio」
という革製品専門店。
普段は販売かオーダーメイドのみで、
DIYの指導はしていないが、
問い合わせをすれば、
時間が空いている場合は革製品作りを
体験させてくれるという。
挑戦するのは、
レザークラフト初のさわこ。
先生、お世話になりま~す!

素材選びは予定通りに?
革製品作りにおいて、
まずやるべきことは、
しっかりとしたイメージ固め。
ここがあやふやだと、
制作途中でつまずき、
出来上がりも気に食わない、
なんてことになってしまう。
「お茶を飲みながらゆっくりと、
本当に欲しいものをイメージしてね」
と先生はアドバイスしてくれた。
「長財布で、紐でぐるっと巻けて、
色はブラウンかな」とさわこは、
迷いつつもイメージを固めたが、
細かい部分がイメージしにくかったら、
雑誌や実物も参考にしたい。
具体的に固まったら絵を描き、
寸法も書き込む(①)。
これを基に、設計図を作るのだ。
さわこの絵をみた先生は、
手早く設計図を描いて行く(②)。
「これだと、パーツは5枚ね。
じゃ、次は素材選びよ」と、
先生は10分もせずに描き上げ、
取材班置いてきぼりで次の工程へ突入するのだった。
くるくると巻かれた、
色とりどりの革が収納された棚(③)。
そこを覗きこむさわこは
「ブラウンのつもりだったけど、
緑も…いや、オレンジも可愛いな」と、
イメージを固めたばかりにも関わらず
絶賛迷い中に逆戻り。
もちろん予定を変更しても問題ないが、
希望をころころ変えると、
当初の構想からかけ離れた
作品になる可能性も高いので注意したい。
30分ほど迷った挙句、
結局予定通りブラウン系の革を選んださわこ。
シンプルで、
手触りも良いの~とご満悦だ(④)。

ずれないように印付け
さて、ここからは本格的に工作にとりかかる。
まずは革裁断のために、
「銀ペン」と呼ばれる
チャコットペンシルで印を付けていく(⑦)。
「定規」で何度も図りつつ、
慎重に印をつけ始めるさわこ。
すると先生が慌てて、
「待って! 線は引かなくていいの」
とストップをかける。
今回作成する財布は、
長方形のパーツのみで構成されているので、
点と点に定規をあて、
それにカッターを沿わせて切り取ればよかったのだ。
「この革は微妙に歪んでいるので、
直線で一気に線を引くと、
頭と後がずれるのよ。
だから点を3つつけて、
それに合わせて切り取ってね」
という先生のアドバイスに、
ナルホド~と一斉に頷く取材班だった。

緊張の革裁断で大失敗!?
いよいよ裁断開始!
先生のお手本の後、
さわこも緊張した面持ちで革に刃を滑らせる(⑧)。
1枚目を切り終えたと思いきや、
よく見ると完全に切り取れていない。
「刃を垂直に当てて、
適度な力とスピードで引くのよ」
と先生は簡単に言うものの、
初心者には難しく、何度も失敗。
とはいえ次第に慣れ、
「のみ込み早いわね」
と先生に褒められるさわこ。
しかし得意げに、えへへ…と笑った瞬間!
刃が滑り、革が歪んで切れてしまった!
どうしよう?
おろおろする取材班に対し、
先生は冷静そのもの。
財布のサイズを小さくすればいいと、
手際よく歪んだ箇所を切り取り(⑨)、
他のパーツもサイズ調整していく。
どうやら何とかなりそうで、一安心だ。
そうしている内に全てのパーツの切り取り完了!(⑩)
失敗もあったが、だいたい20分程で切り終わった。

最初の山場ファスナー付け
次はファスナー付け。
まず、
ファスナーを縫いつける際に
糸を通す穴の位置を決め、印を付ける。
そして「打ち台」に革をのせ、
印に「菱目打ち」という工具をあて、
かなづちで打ち、穴を空けていく(⑪)。
トンカンやる内に、職人気分になってきたさわこ。
「えいっ、とぉ~ん! えいっ、とぉ~ん!」と、
ヘンな掛け声で穴を空けていくが、
「穴空けはリズムが大事。
彼女はリズミカルでいいわね」と、
またもや先生からお褒めのお言葉が…。
調子づいたのか「とーん、とーん」と、
明らかにペースが早くなり、
大丈夫かと不安になる取材班を尻目に、
穴はうまい具合に空いていくのだった。
穴が全て空いたら、
革とファスナーの各接合部分を
ゴムのりで貼り付け、
糸で縫い合わせていく(⑫)。
面白いのが、縫い終わりに玉止めなどはせず、
糸を火であぶって溶かし、革に貼り付けること。
そのため、ライターは必需品だ。
30分後、ファスナー付けが完了した。


側面の裁縫は地道な作業
次は側面部分を作る。
作業としては、
ほぼファスナー付けと同じで、
のりを付けた後、穴を空けて縫う(⑬)。
単調作業が好きな人に向いている工程だ。
さわこはと言うと、
真剣な顔で黙々と縫っている。
がんばれ!
100分後、
側面の蛇腹部分の裁縫が完了。
結構時間がかかったが、
完成はもうすぐ…だったが、
ここでちょっと一休み。
根を詰め過ぎて最後に失敗しては元も子もないので、
集中力が切れたら、
ちゃんと休憩するのも必要なのである(⑭)。

完成までラストスパート
さあ、休んで元気も出てきたし、
あとはラストスパート!
残りの接合する部分に、
ひたすら穴を空けて縫う、
を繰り返し(⑮)、さらに50分後…
とうとうさわこオリジナル財布が完成した!(⑯)
総制作時間は約4時間で、
費用は200元。
こだわりポイントを全部押さえた、
世界に1つだけの財布だ。
「早速今から使う!」とはしゃぐさわこに、
先生たちも優しい笑顔。
先生、今日は1日、ありがとうございました!

さわこのサイフ作りを見ていて、
羨ましくなった編集S。
「私も、革グッズを作りたいです!」と、
烏魯木斉南路沿いで、
普段からDIYの場としても店を開放している
革製品専門店「cowboy boots」へやって来た。
大学で革製品作りの講師としても活躍する店主は、
中国語しか通じないが、
工程について質問すると何でも教えてくれ、
誰もが自由に革製品作りに挑戦できる。

1日目(15時半~21時)
さて、編集Sの作品イメージは?
「欲しいのはバッグです!
オシャレで、大きすぎないけど、
電子辞書が入るサイズ。
そして、前と後ろのポケットは必須ですね!」と、
なんとも注文が多い。
まずはこのイメージを基に型紙を作成し、
それに合わせて革を切り取る。
全て切り取ったら、
各パーツの端を縫って1日目は終わりとなった。
なかなか複雑だが、無事完成できるだろうか。

2日目(16時~22時)
翌2日目は、ファスナー付けから。
メインの袋部分と本体の裏側、
計2本を取りつける。
これが終わると、
内装専用の柔らかい革を袋部分に
ミシンで縫いつけてもらう。
その後、
蓋になるパーツと裏面パーツを
縫い合わせて本日は終了。
長いが、あっという間に過ぎた1日でもあった。

3日目(16時~22時)
体力的に厳しい最終日。
4時間程で各パーツを組み合わせ、
カバンのメイン部分はひとまず完成。
その後、ベルト作成へ工程は進む。
作業は単純だが、厚く硬めの革なため、
カッティングや穴あけが難航し、
涙目の編集S。
それでもなんとか裁縫工程を終わらせ、
仕上げ剤を塗って完成!
3日間で計17時間30分、
200元でこだわりバッグが出来上がり、
編集Sも大満足。
次は何を作ろうかと、
イメージを膨らませるのだった。

~上海ジャピオン2012年7月6日号

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