オタクの祭典中国国際アニメフェア潜入レポ

アニメ生産量で日本を抜いて世界一となるなど、
〝オタク〟カルチャーの発展を続ける中国。
今回取材班が潜入した
「第8回中国国際アニメフェア」も、
過去最多の国内外の企業308社が参加するなど、
年を追うごとに盛り上がりを見せる、
上海で毎年恒例のビッグイベントだ。

中国でも人気の〝ガンプラ〟
当日朝、取材班は興奮していた。
というのも、会場前には、
日本が世界に誇る名作アニメ
『機動戦士ガンダム』の
高さ6㍍の巨大ガンダム像が設置されていたからだ。
「動く姿を見たい~」と、
取材班と一緒にはしゃぐのは、案内人の姚さん。
公式中国版として、
龍の文字や模様が施され、
雄々しく立ち上がる姿を見上げ、
皆の心は1つになった。
高揚気分のまま、
まず向かったのはモチロン、
『機動戦士ガンダム』シリーズのプラモデル
(通称ガンプラ)展示スペース!
早速入場しようとしたが、
人が多すぎて順番待ちに。
姚さん曰く、
「元々中国香港・台湾では、
日本のプラモデル雑誌『月刊ホビージャパン』の
中国版が発刊されるほどプラモが人気で、
上海も年々人気が出てるんですよ」
ということらしい。
約30分並んでやっと中に入ることができた。

展示スペースへ潜入!
入場後、
戦闘シーンを再現した展示物を前に、
「かっこいい!」と、
取材班そっちのけで撮影を始める姚さん。
ほかの来場者も、
皆熱心に写真を撮っており、
ガンプラ人気が伺える。
そのほか、
「ガンプラビルダーズワールドカップ」
予選エントリー作品の展示前も、
カメラを構えたファンで溢れかえっていた。
販売スペースでは、
通常モデルに加え、
会場限定版も用意し、黒山の人だかりだ。
「これいいな~。でも予算が…」と悩む姚さん。
また後で来ましょうと、
引っ張って次へ向かう取材班であった。

中国版ボカロ発売開始!
次に向かったのは、
歌声合成ソフトウェアVOCALOIDの
中国版ソフト&キャラ『洛天依』を
展示販売するブース。
楽譜と歌詞の入力だけで、
手軽にキャラによる歌声付きの音楽を作れると、
日本ではネットを中心にヒットを飛ばした。
中国でも、
同ソフトのキャラ関連ライブが開催されるほど
人気があり、
今回の発売は、
中国人ファンの間でも話題になっていたようだ。
日本のVOCALOIDキャラである
「鏡音レン」のコスプレに
挑戦したことがある姚さんも、
もちろんファンの1人。
「この中国版、
デザインや声がとっても可愛いですよね!!
喋り方も自然で、
人の声みたいだって評判です。
しかも日本版と違って、
キャラ設定が細かくて、
アニメPVまであるんですよ!」
と興奮気味に語ってくれた。
今後、
中国でどのような展開を見せていくか、
目が離せないカルチャーの1つである。

グッズ売り場は大盛況
会場内には、
〝オタク系〟グッズを
販売するテントが集合した一画も。
早速「可愛い~」と、
ネコミミを売るテントの前で足を止めた姚さん。
キュートな鈴付きの白ネコミミを購入した。
ほかにも、
まるで武器屋のように剣類が並ぶ店や、
クッションなどを置く雑貨店、
フィギュア店にAKBグッズ店など、
多種多様なテントが出店している。
取材班も興味津々で、
キョロキョロしつつ歩いていると、
「あ、ニャンコ先生だ!」と、
姚さんがネコのキャラクターグッズに駆け寄った。
ニャンコ先生とは、
アニメ・漫画『夏目友人帳』の登場キャラで、
「普段はこんなに可愛いけど、
本当の姿は渋くてかっこいい妖怪なんです!
この作品は中国ですごく流行ってますよ!」と、
姚さんはグッズから目を離さず解説。
中国では今、
大手動画配信サイト「土豆網」で、
『NARUTO』や
『銀魂』などの人気アニメ作品を
中国語字幕付きで即日配信されている。
リアルタイムで日本のアニメを楽しめることもあり、
日本の流行とほぼ変わらない作品が
人気を集めているという。

子ども向け出店も多数
今回のイベントでは、
子ども連れの来場者が多いことも印象的だった。
低年齢向けの、
遊戯バルーンテントに、
教材やおもちゃの展示ブース、
中国の人気アニメ
『喜羊羊与灰太郎』のイベントなど、
低年齢をターゲットとした出店も数多く、
子どもに連れられ、
流行のアニメグッズに首をかしげる
祖父母という光景も多々見かけられた。
それを横目に姚さんは、
「人気があっても、
アニメやゲームは子どものもの、
という人も中国では多いんです。
母も、私がグッズを買うと、
大人にもなって、まだアニメに夢中なんて!
と言って怒ります」と語り、
しんみりしてしまった。
そんな姚さんを元気づけるために、
次は姚さんリクエストのブースへ!

中国国内ゲーム事情
ゲーム会社「スクエア・エニックス」と、
フィギュアなどのキャラクターグッズを販売する
「INPLAY」の合同ブースにやって来た取材班。
元気がなかった姚さんだが、
人気シリーズの1つ
『ファイナルファンタジー零式』の
ポスターを見つけると、
テンションは全回復した。
「この作品、すごく悲しい物語で、
プレイ中に号泣しました。
あ、あっちにフィギュアが!」と
前よりノリノリで、
撮影モードとなった姚さん。
姚さんによると中国ではネットゲームが主流だが、
「プレイステーションポータブル」などの
携帯ゲーム機で遊ぶ人を
地下鉄車内などで見かけることも多く、
ゲーム事情の変化にも注目したい。
そうしている内に、
目当てのイベントの開始時間に。
期待に胸を高鳴らせつつ、
舞台へ移動する取材班であった。

チーム戦のコスプレ大会
会場の奥に設置された舞台スペースは、
すでに人で溢れかえっていた。
それを見越してか、
周囲は柵で覆われ、
人数制限を行っている。
そう、今からここで、
コスプレ大会が開かれるのだ。
今や世界中で楽しまれているコスプレだが、
中国では以前より浸透しており、
大きな大会がわりと頻繁に開催されている。
中国のコスプレ大会の特徴としては、
複数人でチームを組み、
ダンスを含む演劇でアピールし、
競い合う点が挙げられる。
「参加者は大学の漫画サークル所属の人が多く、
イベント出場のために、
日々猛練習をしていますね。
私みたいに個人で楽しむだけの人は、
手軽に既製品を買ってすませる場合も多いんですが、
大会ともなると、
さすがにみんな特製の衣装で気合入ってます!」と、
小柄な姚さんは精いっぱい背伸びをしながら言う。
というのも、舞台前はカメラを上に掲げ、
シャッターチャンスを狙うファンで
押し合い状態だったからだ。
取材班も負けじと、
人と人の隙間に潜り込んでいった。

歓声で迎えるダンス&演劇
今回のイベントでは、
アニメ『Fate/Zero』や
ゲーム『.hack』などの作品のほか、
日本のアイドルAKB48のコスプレをする
チームも登場した。
彼女らが姿を現した時は、
ひと際大きな声援が上がり、
AKBの人気っぷりを実感。
ほかのチームも、
趣向を凝らしたダンスに、
力の入った演劇など、
エンターテイメントとして楽しめ、
「あの人かっこいい!」とか、
「俺のヨメキター!」などと、
観客達は夢中で声援を送っていた。
1時間半ほどの濃厚な時間を満喫し、
体力の限界を覚える取材班。
対する姚さんは
「明日は声優さんのイベントがあるんです!」と、
すでに次に目を向ける。
中国の〝オタク〟パワーは、
タフに燃え上がっている!

~上海ジャピオン2012年8月3日号

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