上海炒飯見聞録

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蛋炒飯/32元

炒飯の王道を行く
卵とネギでシンプルに

最初に紹介するのは「蛋炒飯」。具は卵とネギのみで、どの店でも必ずメニューに載っているほど、定番中の定番メニューだ。
来店客の約8割が注文するというこちらの炒飯。卵の黄色とネギの緑の彩りも豊かに、食欲をそそる。味付けは鶏ガラスープと塩、コショウのみのシンプルなスタイル。あっさりしたうす味で、ギトギトした感じがなく、脂っこいものはちょっと…という人でも安心だ。全体的に薄味なので、「酸辣湯」など、味のハッキリした料理と一緒に食べるのが◎。

同店は、日本にも店舗をもつ有名中華料理店。炒飯はこのほか、「虾仁肉絲炒飯」(42元)も人気。名店の王道炒飯をとくと味わおう。

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醤油炒飯/19元

ヤミツキ必至の炒飯
一粒に醤油の旨味が凝縮

続いては、これまた定番中の定番「醤油炒飯」。上海を始め、蘇州や杭州など、長江以南の地域で親しまれている炒飯。

こちらは、炒飯の基本調味料とされている鳥ガラスープを使わず、主に醤油で味付けている。米のひと粒ひと粒に濃厚な醤油の旨味とコクがしっかりと染み渡り、ひと口で奥深い味わいがじわ~んと広がるのを感じる。日本の炊き込みご飯をさらに炒めたような感触で、日本人にも受け入れやすい一品と言えよう。しばらくはその余韻から抜けられないこと必至。19元という低価格もありがたい。

同店は、火鍋料理専門店。看板メニューの「一鍋鮮」(78元~)と一緒にお試しあれ!

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港麗炒飯/40元

具沢山の看板メニュー
パラッとした米の食感

炒飯といえども、地域性や民俗によってその味も異なってくる。次に紹介するのは上海市に10店舗以上を構える料理店、「港麗餐庁」の「港麗炒飯」だ。

こちらの店では、長粒米(インディカ米)を使用する。パラッとした質感の炒飯を作るには、やはり長粒米が一番だ。さらに、ネギにキャベツ、干しエビ、ハムがゴロゴロと入り、新鮮な食材の旨味が、炒めたご飯と絶妙にマッチ! 時折感じるハムの甘味も、奥行きのある味を感じさせ、最後のひと粒までおいしくいただける。

店員さん曰く、多い時は1日に50食以上出ることもあるとか。毎度行列になる同店の、香港式炒飯をとくと味わおう。ディナー時は混雑するので、事前予約するのがベター。

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林記炒飯/48元

炒飯で楽しむ海の幸
炒飯メニューも充実

お肉たっぷりというだけが炒飯ではない。新鮮な海鮮を使った炒飯も根強い人気を誇る。

「林記小館」の「林記炒飯」。店名を冠したこちらの炒飯は、大きめサイズのエビ、イカ、ホタテ貝柱など海の幸がたっぷり。アツアツの魚介類から出たエキスが、ご飯全体に行き渡り、ひと匙で、海鮮の波がどっと押し寄せてくる。値段はやや張るが、2人でやっと食べきれるボリュームなので、この価格も納得だ。

同店ではこのほか、風味豊かな「林記XO醤海鮮炒飯」や、あんかけ炒飯の「福建炒飯」(各45元)、「滑肉牛肉飯」(30元)

など、炒飯メニューが充実している。炒飯ファンならぜひ押さえておきたい店だ。

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羊肉炒飯/28元

ラム肉の香り漂う
西域のオリジナル炒飯

究極の炒飯を求め、取材班が次に辿り着いた先は、新疆料理店「耶里夏麗(イエリーシアリー)」。

新疆料理と言えば、真っ先に思い浮かべるのが羊肉。羊肉串が有名な同店だが、隠れ名物メニューとして人気なのが「羊肉炒飯」だ。鶏ガラスープベースの炒飯とは打って変わって、羊肉独特のクセのある風味が全体を覆い、ご飯を引き立てる。羊肉の強い脂っこさは否めないが、スパイスに使われているクミンが風味を豊かにし、刺激もプラス。名物の「羊肉串」(3元/本)が運ばれてくるまでに腹もたせにとオーダーする人が多いようだ。

同店はチェーン展開しており、店舗によっては「羊肉炒飯」を昼しか提供しない所もあるので事前に注意しておきたい。

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三月間炒飯/38元

炒飯ならぬ炒麦!?
五感で楽しむ個性派

炒飯は具材も大事だが、その食感も軽視できない。そんな通にオススメなのが、「三月間生活餐庁」の「三月間炒飯」。
一見普通の炒飯のように見えるが、ひと口食べると何かが違う。こちらでは、米ではなく、何と麦の粒を使ったユニークな炒飯を提供するのだ。鶏ガラスープと醤油で炒めた麦はパラパラとしていて、ひと粒ひと粒にコシがあり、その独特の歯応えが客を唸らせる。具のエビやハム、キュウリなどともうまく絡み合い、見た目や食感、味、香りと、すべてが食欲をそそる逸品だ。

創作上海料理店の同店では、パンで鶏肉煮込みを包んだ「麺包鶏」(68元)が有名。たまには、独創的な中華料理を楽しむのはいかがだろうか?

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蕃茄蛋炒飯/8元

低カロリーで味も一級
西北エリアの野菜炒飯

上海市の至る所にある「蘭州拉麺」。羊肉や牛肉を使ったラーメンや蓋飯(丼メニュー)で有名だ。
「牛肉炒飯」や「羊肉炒飯」も、どの店舗でも提供されているが、こちらの永嘉路店では、他の蘭州拉麺ではあまり見かけない「蕃茄蛋炒飯」を注文できる。トマトと卵を炒めた餡をご飯の上にぶっかけるのではなく、すべて一緒にきちんと炒めているのだ。蘭州拉麺でよく使われているトマトソースは使用せず、トマトと卵から出る甘酸っぱさのみをベースにした。両者のナチュラルな風味がダイレクトに伝わってくる。

8元と低価格で、低カロリーなので、子どもや女性も安心して食べられる一品。

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香椿松仁炒飯/28元

精進料理の炒飯
見た目で得る満腹感

続いて取材班が訪れたのは、「浄心軒」。禅をテーマにした店内に、ハスの花や仏像が飾られるほか、BGMにはお経が流れるなど、趣向を凝らしていることでも有名だ。

精進料理店ということで、名物の「香椿松仁炒飯」は、独特の香りをもち、中国では主に薬膳料理に使われる植物「香椿(チャンチン)」の葉や、ダイエット効果があるという「松仁(松の実)」で風味付け。少量の塩と前述の具材の旨味をいっぱいに引き出した。薄味だが淡白ではないところがポイント。また、趣のある陶器の器に盛られ、視覚からも楽しめる一品だ。

このほか、「媽媽的拿手菜(母の得意料理)」(35元)など、人気メニューも盛りだくさん。

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菠蘿炒飯/32元

トロピカルな炒飯
甘酸っぱさに舌鼓

炒飯は今や中国だけに留まらず、形、風味を変えて世界中で食される料理だ。

延安中路のタイ料理店「泰厨」では、半分に切ったパイナップルをそのまま容器にした「菠蘿炒飯(パイナップル炒飯)」が人気。プリプリのエビに鶏肉、カシューナッツ、パイナップル、錦糸卵、コーンなど、バリエーション豊かな具材がふんだんに詰まっている。スパイスの甘味と酸味が具材の味を引き立て、多くの具材が入っているにも関わらず、それぞれが主張し合うことなく、ハーモニーを奏でる同料理に、思わず「アロイ!(タイ語でおいしいの意)」と飛び出しそう。

見た目も味もトロピカルな南国の炒飯を、とくと味わおう。

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尼泊爾炒飯/30元

自家製のカレーがベース
程よい刺激と食べやすさ

世界の炒飯を求めて、取材班が最後に行き着いたのが、ネパール料理店「ネパリキッチン」。

カレーメニューが多い同店だけに、自慢の自家製カレーで調味した「尼泊爾炒飯(ネパール炒飯)」を提供する。スパイスの効いた辛口の炒飯かと思いきや、具のマッシュルームやニンジン、ホウレンソウなど、繊維質と水分を適度に含む野菜で、食べやすくマイルドに仕上げている。同店名物の「咖喱鶏(チキンカレー、38元)」や「尼泊爾烤羊肉(羊のロースト、28元)」との相性もバツグンだ。

たまには、ネパール色に彩られた店内で、エキゾチックな炒飯はいかが?

 

~上海ジャピオン2013年6月28日号

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