紳士派?ワイルド派?
中国きっての国際都市、上海。昔から海外の文化を吸収し、ファッションには敏感な人が多かった。今のんびりと公園を歩くおじいさん・おばあさんも、若い頃はバッチリ決めていたのだろうか、独特でステキな着こなしをする人が多い。
上海の中心にある「襄陽公園」で出会ったのは、頭にハット、手には杖を持ち、スーツに身を包んだおじいちゃん。ジェントルな雰囲気を漂わせながらも、独特な柄シャツで〝ちょい悪〟感を覗かせる。ほかにも、トレンチコートや黒いレザージャケットでワイルドさを演出する中高年男性が多かった。
一方、「復興公園」で電動三輪車を乗り回すおじいちゃんは、別の方向にオシャレ。映画に出てきそうな人民帽・人民服を違和感なく着こなす姿がカッコイイ! 声を掛けると、若い頃の武勇伝を延々と話してくれた…。
華やかなおばさまたち
上海の中高年女性は、とっても華やか。登場するだけで周りがパッと明るくなるような服装が特徴的だ。
路上でドリンクスタンドを眺めていたおばあさん。花柄のアウターという、合わせるのが難しいアイテムの中には、黄金に輝く柄シャツ。それに柄帽子、ショッキングピンクのカバンと靴という、どれも超派手な色・柄なのに、エレガントにまとまっているのはなぜ!? 脱帽のコーディネート。
公園で謎の健康体操の先陣を切るマダムは、全身を赤で統一。一際輝くピンクのトップスは、皆を率いるにふさわしい存在感。赤い帽子は流行なのか、かぶっている女性が多かった。
鋭い眼差しでバスケを観戦するおばあさん。ほかのおばさまに比べ地味かな? と思いきや、シャツはしっかりペイズリー柄。足元の水色がアクセントだ。
公園はダンス・ステージ
朝早くから暗くなるまで大音量で音楽を掛け、ひたすら踊りまくる中高年男女。その衣装…いや服装は、グループによって実に様々だった。
「襄陽公園」は人通りが多く、カメラ片手に観光している外国人もチラホラ。そんな背景があってか、昼に社交ダンスを楽しむ男女の団体は、衣装に気合が入っていた。「カルメン」を踊れそうな情熱的なフリルたっぷりドレスを着る人もいる中、シンプルなワンピースを着て踊るおばさん2人。派手すぎず、ちょっとレトロな感じが公園という舞台にしっくり馴染んでいる。
一方、広場ダンスを踊るおばさんたちの服装はバラバラ。揃いの衣装を着ている団体もいれば、小道具だけお揃いの団体や、完全に普段着の団体も。共通して言えるのは、首元のスカーフが個性を発揮するポイント、というところだろう。
中国らしさが爆発
中国の公園名物・太極拳。健康のため、多くのシニアが太極拳に励んでいる。
公園中央で、皆の手本として技を披露していたおじいさん。純白の表演服は、その堂々たる演武にふさわしい輝きを放ち、動きに合わせて滑らかに光る。襟元からシャツがちらりと見えていたので、指導が終わったら脱いじゃうのかも。
一方、公園の端の方で背を向け、1人黙々と太極拳を練習していたおばあさん。さて休憩、とクルリと振り向いた時の、カラフルな棒ボタンがとってもかわいい! さりげないオシャレがステキ。
さらに上下真っ赤なジャージを着ているおばさんも発見。正面には「〇〇協会」と大きなロゴが入っていたので、どこかのチームのユニフォームなのだろうか? お揃いで着てほしい!
~上海ジャピオン2019年11月15日発行号