外灘での記念撮影といえば、上海を訪れた記念に必須の1枚。
そこで今週は、中でもベストの1枚を撮るべく、改修後の外灘でのベストショットポイントを探ってきた。
新外灘をまだ訪れていない人も、既に訪れた人も、これを読めばベストショットが撮影できること間違いなし!
改修の目的は
「人のため」の外灘
新外灘のベストショットポイントを探るため、
まずは外灘改修プロジェクトに深く関わった方々に話を伺ってきた。
教えてくれたのは、外灘プロムナード開発マネージャーの石さんと、外灘の景観デザインを統括した祝さん、
黄浦江の開発関連会社に所属する王さんだ。
開口一番、「今回の改修の目的は、市民の交流のプラットホームとすることなんです」と石さん。
「外灘には、3つの側面があります。旅行者のため、市の顔、そして市民の憩いの場。
上海市民にとって外灘は、老若男女問わずとても思い出深い場です。
なので、観光の場であると同時に、人々が憩える空間作りを目指したんですよ」
石さんが語る通り、新外灘にはその工夫が随所に見られる。
以前12車線あった道路は6車線になり、その分プロムナードが約2万2000平方㍍も広くなった。
さらに、ベンチや広場、そして緑が増え、日常使いもできる外灘へと進化したのだ。
写真撮影も最大限考慮
設計には約3年!
今回の改修には、設計に約3年の時間をかけたという。
設計責任者の祝さんは、「基本理念は、謙虚さ。外灘本来の魅力を最大限にいかすことが目的でした」と語る。
まずは色。
プロムナードのほとんどに採用されているのは「バンドグレー(外灘灰)」と呼ばれる、外灘建築群の壁の色だ。
「それに季節の移り変わりも重要な要素。広葉樹の銀杏とけやきの木を植えたので、
夏は緑、秋には黄色、紅と移り変わります、バンドグレーに映えると思いますよ」と胸を張る。
これらを際立たせるのは、効果的なライティング。
黄浦江沿岸に約2000㍍に渡って続く、プロムナードの欄干沿いには、
市花である百合をモチーフにした街灯が、見事に統一され調和された形でずらりと続く。
見所がさらに増えた外灘。
では次ページから、実際のベストショットポイントはどこになるかを見ていこう。
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目指すは外灘カーブの端
北京東路を抜けて北へ
約2000㍍に及ぶ外灘全景を、なんとかしてレンズに収るには?
その1枚を実現するには、このポイントへ!
それは、外灘の北部、黄浦公園の南側入口付近にある。
ペニンシュラホテルの向かい辺り、と覚えるとよいだろう。
北京東路から真っ直ぐ外灘のプロムナードに上り北進。
黄浦江に張り出した建物と、「中国海事」という文字のかかった門を見つけたら、そこがベストポイントだ。
「ここに立てば、外灘全景を一目に収められますよ!
それに河に向かって下向きに噴出す噴水も写り込みます」
と、外灘プロムナード開発マネージャーの石さんも太鼓判を押す。
外灘は大きくカーブを描いているため、端に立てば全景を自然と入れられる。
また端だからこそ、人が少なめなのも、写真撮影には好条件なのだ。
ポイントに辿り着いたら、黄浦江の欄干から南を向いて立ってみよう。
そこには感嘆の光景が広がること間違いなし。
夜の撮影の場合は三脚の用意があればベストだが、最新のコンパクトデジカメであれば、
「夜景モード」または「夜景人物(夜景ポートレート、またはスローシンクロ)モード」で、
できるだけ身体を固定すると、手ぶれせずに撮影できる可能性が高まる。
あとは、被写体にニッコリ笑ってもらえば、ベストショットの完成だ!
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ランドマークは時計台
漢口路~福州路がベスト
見ごたえのある外灘の建築群。
どれも確かに美しいが、ベストショットを押さえるには、
その中でも特に魅力的と言われる建物を背景に撮りたい。
外灘の景観デザインを統括した祝院長によれば、そのポイントは2カ所あるとか。
「漢口路~福州路、南京東路~九江路間にある建物は、建築物として特に華やかです。
新外灘の設計の際には、この建築を鑑賞しやすい広場の設置など、細部まで設計を重ねました」と語る。
そこで今回は、漢口路~福州路間にある「上海海関大楼」(時計台)と、
頂にドームを載せた「上海浦発銀行」を背景に撮影。
このポイントへは、福州路を抜け、外灘のプロムナードへの階段を上がろう。
そこに広場がある。
人気スポットなので人は多いが、それも考慮して広めの作りなため人口密度はやや低めだ。
さて、ここで撮影する際にポイントとなるのは、広場に設置された花壇にできるだけよること。
そして、撮影者はぐっとかがんで、下から被写体を撮影するのが鉄則だ。
こうすることで人ごみを写さずに、人と建物だけを写すことができる。
また、祝院長は「南京東路~九江路の間の建築物もオススメ」という。
ただ、外灘プロムナードで一番混み合うのもその辺りなので、写真撮影にはちょっと難易度が高いかも。
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欄干のでっぱりを確保!
外灘北部から全景を
外灘を訪れ撮影するのは、外灘だけではないはず。
発展の象徴である陸家嘴も、記念撮影には欠かせない。
新外灘のプロムナードには、ほぼ等間隔程度に記念撮影スタンド(1枚7元)がある。
彼らはいわば、外灘撮影の専門家。
そんな彼らが陸家嘴をバックに撮影する定例ショットは、やはり黄浦江の欄干にもたれての1枚だ。
欄干は等間隔に弧を描いて張り出した設計で、人通りの比較的少ない昼間には、
この張り出し部分をフルに利用して、結婚写真の撮影が行われていたりする。
しかしその欄干、夜はずらりと人の列。
ただし、外灘は端に行くほど人影がまばらになる。
最北端の人民英雄記念塔までいけば、空いている欄干もちらほら。
そこを陣取って撮影しよう!
またこの他、北京東路の直線上に位置するプロムナードには、
約25㍍に渡ってデッキが設けられている。
プロムナードとデッキの間は階段になっており、150㌢ほどの高低差がある。
そしてこの高低差が、陸家嘴のショットをカンタンキレイに撮らせてくれるのだ。
デッキの両端には、2人が立てる程度の幅の突き出し部分もある。
ここなら確実に人ごみは写らない。
新外灘の設計をフル活用して、ベストな1枚にチャレンジしよう!
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変わり種はこう撮る
アイデア勝負の1枚
①ウエスティンを王冠に
ウエスティンホテルのトレードマークの、ビルの頂を戴冠したように撮影。
このショットは福州路から直線上にある外灘プロムナードの上で撮っている。
頂までの距離によって「王冠」の大きさを調整できるので、
お姫様のティアラのように小ぶりに撮りたい場合はこれより北側から、
威厳ある王様の冠のようにしたい場合はさらに近づいてもいいかも。
②街灯でカメハメ波!?
外灘の景観を引き立てる、黄浦江沿岸の街灯。
そのライトを使ってカメハメ波!?
ライトを撮ると、光の線が映ってしまうものだが、逆にそれを利用してみよう。
③目から光線
ウエスティンホテルから何本も放たれる光線を利用した1枚。
目から幾筋もの光線を放つ様子は、特殊光線で何かを探し求めているかのようだ。
④UFOキャッチャー
手をUFOキャッチャーのアームに見立て、東方明珠を捕まえてみた。
撮影のポイントは、手のアームと東方明珠が平行になるように手を調整してもらうこと。
よりリアルなUFOキャッチャー風となる。
何にせよ変わり種ショットはアイデア次第!
オリジナルの1枚に仕上げられたら、自慢できるかも?
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~上海ジャピオン7月16日号より