自慢のお隣さん 第118ノック 伊藤さん宅

アカデミー清らかな音色を、自分の手で!

友井さんの紹介で伺ったのは、揚琴を習う伊藤幸子さん。澄んだ音色を響かせたいと、練習に励む。

美しい音色のとりこ
揚琴を弾いてみたい!


「衝撃的だったんです」と揚琴との出会いを語る伊藤幸子さん。それは、上海での暮らしが丸2年を過ぎた頃のこと。自宅近くで、中国人男性が見知らぬ楽器を弾くのに出くわした。
「その音色の清らかでいて、豊満なことといったら。感激して、これは習わなくては! と」
その楽器が、中国に古くから伝わる伝統楽器、揚琴(ようきん)。早速先生を探して、レッスンを受けはじめたのだが…。
「あの澄んだ音が出ないんです。一見、木琴のようで簡単そうに見えたのですが…」
揚琴は、台形の木の箱の上に150本以上の弦が張られていて、〝中国のピアノ〟とも呼ばれる。複数の弦を、竹のバチで一度にたたいて音を出すので、たたく位置が少しずれただけで音が変わる。音階を数字で表した楽譜は読みづらいうえ、伝統のリズムも馴染みにくく、知れば知るほど難しさを実感したという。


その後、練習を重ね、少しづつ出したい音色が出せるようになった幸子さんは話す。
「難しいということは、それだけ奥が深いということ。日常生活のなかでは感じることの少なかった、中国の歴史と文化に触れている気がします」

伊藤幸子さんと三女のことねちゃん


書道と中国画を学んで
書画作品を作る夢も


 このほか、幼い頃から書道を習っていた幸子さん。上海で中国書道を知り、先生について習いはじめた。先生の勧めもあって、1年ほど前には個展も開いたほどの腕前だ。
「揚琴とは対照的に、書道は最初から楽しめました。とはいえ、日中で筆の持ち方が違うので慣れるまでは苦労もありました」
これからは、中国画や篆刻(てんこく)も習い、書画の作品にも挑戦したいと話す幸子さん。豊かな中国文化と、真正面から向き合う日々が続いていく。

個展に出した書道の作品


物件情報
◇地区:長寧区◇間取り:3LDK 170㎡◇家賃:非公開◇築年数:20年◇サービス:家具家電込み、管理費込み、BS1、BS2、スポーツジム、テニスコート、プール◇交通:地下鉄より徒歩20分

(右写真)
中・洋折衷のモダンなインテリアのリビング

⇒NEXT WEEK
伊藤さんの自慢のお隣さんは、
自転車、お菓子作りとそれぞれの趣味を楽しむ茨木さん夫妻
一部屋丸ごと、ご主人専用の自転車部屋!お菓子作りが趣味の奥様は、ケーキを焼いて、家族の誕生日を祝う。

~上海ジャピオン6月13日発行号より

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