なんで? どうして? おしえて! 中国人

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初めて外国に暮らす人が、少なからず体験するもの、いわゆるカルチャーショックである。〝郷に入らば郷に従え〟と積極的に受け入れる人もいるが、人によっては目をつぶるように日々を過ごし、そのうちだんだん見慣れた光景に。しかしどれだけ長く暮らしても、その文化が生まれた背景や理由については、さっぱりなまま。

ということで今回は、マーケティング会社・マクロミルチャイナに協力を依頼し、20~40歳代の中国人男女100人を対象にアンケートを実施。その結果を交えながら、中国人の言動の秘密を学んでみよう。

まずは「日中の文化は異なると思うか」の問いに対し、実に99%の人が「はい」を選択している。当たり前というか、想定内の結果ではあるが、「文化が異なる」と改めて認識することで、互いに許容する心が生まれるのではないだろうか。

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運転手とおしゃべり

さて、では具体的な行動について見てみよう。よく見かける光景として真っ先に上がったのが「タクシー乗車時、助手席に座る」。日本ではタクシーに乗車する際、運転手が自動で後部座席のドアを開けてくれるためか、人数が多い場合でなければ助手席に座ることはまずない。

これについて中国人は「支払時に便利だから」、「運転手が道に不案内なこともある」、「お釣りをごまかされないように」などなど、便利さを求める意見が大半。考えてみれば確かに、助手席で運転手と会話が弾み、下りる頃には笑顔で「バイバ~イ♪」と手を振り合ったことがあり、それも一度や二度ではないのだった。

一方で、最近では「事故が起きたら危ない」など、安全意識の向上に伴い後部座席を選ぶ人も増えているようだ。

やさしさとゆとりを持つ

同じく街中でよく見かけるのが、ファストフード店などのテラス席で休む人々の姿。どうやら、その店の商品は持っていないようだ。さらに店員も注意したり、追い払う様子がない。これには直接、とあるカフェの店員にも話を聞いてみた。

中国人はそもそも散歩が好きな民族で、朝から夜まで歩く歩く歩く。しかし長いこと歩いていれば、そりゃ足だって痛くなるし息も切れる。そんな時、目の前にイスがあったら…。満席で客が座れず怒っている、なんてことでもなければ、空いているイスに腰掛けてひと休みするくらいどうってことないじゃない、というのが多くの意見だそうだ。こうした人情深さ、人に対するやさしさこそ、大らかでゆとりのある社会といえるかもしれない。

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〝テーブルに骨〟は消えた?

続いては、飲食時の習慣。主に日本人の旅行者がローカルレストランを訪れ、一様に驚くのが「魚の骨をテーブルに出す」という点だ。しかしここは世界でも有数の近代都市。上海人に聞くと、最近ではレストランで魚や鶏の骨を出すためのお皿を必ず用意してくれるので、こうした習慣は淘汰され、ほとんど見かけなくなってきたという。

とはいうものの、日本人にとっては初めて見た時の衝撃が強すぎたのか、しばしば話題に上る。余談だが、ここでひとつある出来事をお話ししたい。ジャピオン編集部の家族が日本からやってきた時のことだ。

少々お高いレストランで食事をしていると、テーブルに余分の皿があるにも関わらず、家族の1人が「中国では骨をテーブルに出すのよね」とのたまい、「ペッ」とやった。もちろんたしなめて、皿に出すよう言ったわけだが、この時、もしかして骨を出すのは、もはや思い込みに駆られた日本人ばかりだったりして…と思ったのは言うまでもない。

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メンツを懸けたケンカ

もうひとつ、レストランでの習慣について。日本人でも、食事を終えてから「ここは僕が」、「いえいえ、私が」などとやることはある。…が、中国人の場合はあわやケンカに!? と見ていてハラハラしてしまうほど、激しく争うことがある。多くの場合、モメるのは2人だけ、残りはこの争いを傍観する。また時にはただ傍観するのではなく、2人のうち片方に加勢し、もう1人をみんなで押さえ込んでしまったりもする。ああ、みんなが僕にお金を払わせてくれない…! という状況だ。

モメる理由には、中国人みな声をそろえて「面子」を主張した。ここで譲ってしまっては、面子が立たないというわけだ。日本人としては、あまり主張しすぎると相手の面子を潰すことにはならないか、と心配するところだが、中国人的には、ここでモメずに譲り合うことはあり得ないのだそうだ。

そしてケンカも最終的には決着がつき、笑顔で抱き合う。いずれにせよ、今回競り負けた人は次回のお会計を持つのだろう。こんな情景には、思わずこちらも顔をほころばせつつ、遠慮なく眺めることがある。実際、レストランで近くの席に仕事仲間らしい一団が座っていると、「あ、きっとあそこの人たちは最後にモメるぞ~」などと、ちょっと楽しみにしてしまう。

なお若い人を中心に〝AA制(割り勘)〟も浸透しつつある。しかしこれも便利な反面、少々色気がない、と感じているらしい。

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緊急の場合を除いて

続いて、会社での出来事。中国人スタッフを交えての会議中に、電話の着信音が鳴り響く。見ると、中国人スタッフが慌てて電話を取り出し、音を切るかと思いきや、そのまま通話を始める。これも日本人駐在員などに聞いたところ、〝あるあるネタ〟だという。

しかしアンケートによれば、圧倒的大多数の中国人が「緊急時を除いてそんなことはしない」、「そもそも会議の場に電話を携帯しない」と答えている。一方で「いつでもどこでも連絡が取れるように、携帯電話が発明されたのだから当たり前」との意見もあり。これには「確かに…」と思わせられる説得力がある。

また「日本人は会議好き」、「会議が長すぎる」との意見も。前述のように、中国人は面子を重んじる民族。電話に応じるということが、時として日本人よりも重要になる場合もあるようだ。必要に応じ、時間を有効に使って会議を行うよう心がけたいものである。

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独自の健康学

さて、今度は路上での風景に注目してみよう。飲みに行った帰りなど、街を歩きながらふと見ると、果物屋や薬屋が深夜まで営業している。もしかしたら、日本の酔っぱらったお父さんが寿司折りをぶら下げて帰るように、中国人のお父さんは果物を持って帰るのか…? いやでも、薬屋は…?

調べてみると、自治体の条例や規則により、薬局の深夜営業が認められていることがわかった。寝る直前になって風邪気味だと感じ、薬を飲んでおこうと思ったら買い置きが切れてた、なんてこともあるだろう。また中国の薬局では、ネズミ取りなど生活用品を販売している店もあるので、深夜の営業はとってもありがたい。なお、灯りはついているものの人の姿が見えない時、ドアに鍵がかかっている時はインターホンを押して呼べば対応してくれる。

一方、果物屋についてお店の人に尋ねたところ、「夕食後に買いに来ることも多いから」とのこと。遅くまで働いていて、店の開いている時間に買い物ができない人を除き、中国ではその日食べるものをその日に仕入れるのが一般的なのだとか。特に子どものいる家庭では、毎日卵と牛乳、果物を摂取するよう心がけているので、食後に果物を食べようと思ったら、遅い時間に買いに出るのは必然的。また夜中に小腹が空いておやつを食べるのは良くないが、果物なら、とも言う。お茶や漢方など、独自の健康学を持つ民族らしい習慣といえるだろう。

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溢れる仲睦まじさ

路上で感じる不思議をもう1つ。夏になると、下着が透けた女性や、公然とイチャつくカップルを見て、目のやり場に困ってしまうことがあるだろう。

これはどちらも、「人の目なんて気にしない」との回答が多かった。特に後者は、「仲睦まじさ」が溢れているとの認識。確かにちょっと、うらやましくもある。

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経済観念を育てる

中国人と親しくなり、どんな仕事をしているか、どこの会社で働いているかを話すことがある。加えて、収入額を尋ねられ、ビックリしたことはないだろうか。

尋ねてきた人にそのまま、なぜそんなことを聞くのかを逆に聞いてみると、「親しい仲なら、どうやって生活しているか関心を持つのは当たり前でしょう?」と言う。さらに、「日本人はプライバシー意識が強いから、気に障ったらごめんなさいね」と謝られてしまった。中国人にとっては、相手に関心を持っていることの表れということのようだ。

また別の機会には、親の収入額を聞かれたこともある。そんなものは知らない、中国人家庭では普通のことなのかとすっかり驚いてしまったが、これもやはり相手に対する関心、育ってきた環境などを知り、相手への理解を深めたいとの思いがあるという。アンケートによれば、中国の家庭では子どもも家庭を構成する一員なので、家の経済状態を子どもが把握するのは大事なこと。経済観念を幼い頃から養うべきとされるそうだ。

考えてみれば、1人暮らしを始めてから親のありがたみがわかるようになった、自分で稼いでみて大学の学費が大金だと知った、などという話は日本での〝あるあるネタ〟だろう。そういった意味では、深く考えさせられてしまう。

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みんなでワイワイ

最期に、非常に素朴な疑問を取り上げたい。中国人とともにカラオケに行った際のこと。誰からともなく歌い始めるが、日本人は曲を予約する順番を守り、中国人は歌いたい歌があればどんどん入れていく。しまいには人の歌も一緒に歌うし、歌いながら次の曲を選んだり、2~3曲まとめて予約したりもする。

もちろん日本人の中にも、マイクをつかんだら離さない人もいれば、立て続けに曲を入れる人もいるが、ほとんどの人が1曲ずつ、歌った順番を守っている。中国人曰く「歌いたかったらそう言えばいいし、みんなでワイワイやるほうが楽しい。カラオケってそういうもの」。どちらかといえば日本人のほうが「俺の歌を聴け!」というムードが強いのだろうか。

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~上海ジャピオン2014年8月8日号

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