考える男マートンと哲学の小部屋(トイレ)~扎西達媧西蔵演芸餐庁

グーグー鳴る腹
私は考える男マートン。
今日は宇宙の広大さに思いを馳せていたら
朝・昼と飯を食いっぱぐれてしまった。
あぁ…腹の虫が鳴いている…たまらんな。
ちょうど近くにチベット料理店が見えるので、
何か食べよう。
上海体育場の下にあるこのレストランは、
店内全て民族風デザインでまとめられている。
広めのステージもあり、
日によってはイベントも行われるようだ。
…さて、腹も膨れたし、
小部屋(トイレ)に行って思索を続けるか。

宇宙と虫の関係
小部屋(トイレ)に行くとまず、
真っ赤な木枠の扉が目を引く。
そして個室内の壁3面にはそれぞれ違う風景写真。
なんと雄大な景観であろうか。
写真を眺めているだけで、
自分がいかに矮小な存在かを痛感する…
そう、
自然や宇宙の広大さに比べれば、
私なんぞほんの小さな虫にすぎない…虫!?
…そうか!
宇宙に対する私は、
私に対する腹の虫のようなものなのだ!
腹の虫とは空腹を知らせるアラームのような存在だ。
〝食え〟という指令を与え、
最終的に何か食わせることに成功する。
ということは、
ちっぽけな私の思考もいつか宇宙を揺るがすやもしれん…
面白い哲学だ。
ありがとう、いい小部屋(トイレ)であった。

~上海ジャピオン2012年6月29日号

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