3年間の中国語教育経験あり。初級から上級まで幅広く担当し、HSKや中検の試験対策指導が得意。授業がわかりやすいと評判。
老師のオススメ!
この本は、ノーベル文学賞の候補者になったこともある詩人・北島の、散文形式の旅行記である。
これまで、私を含め多くの読者は、彼を詩人としてしか見て来ていなかったのではないだろうか。
しかし私はこの本を通して、北島の心理状態や置かれている状況など創作の背景を知り、彼を1人の人間としてより身近に感じられるようになった。
詩人であるだけに、一語一語が洗練されていて、あちこちに散りばめられたアイロニーが読者を飽きさせない。
北島が、その鋭い感性と表現力で書き上げた散文をぜひ読んでほしい。
あらすじ
異国の地で、何度も絶望に苛まれ、内なる弱さに打ち勝つために祈る。
1970年代末に詩集『今天』を発表し、象徴主義流派の詩人として有名になった北島。
89年に中国を離れ、ドイツ、ノルウェー、スイス、デンマーク、オランダ、フランス、アメリカを〝放浪〟しました。
4年間で15回の引っ越しを繰り返しながら、多くの作品を発表します。その放浪の間に、北島が見聞きした外国の社会や文化の様子とは? また詩人としての感性でそこから感じ取ったものとは?
北島の目を通して見た世界、出会いと別れ。風刺や自嘲を交えつつ、〝人〟とその〝歴史〟にスポットを当てた名作です。
~上海ジャピオン2015’年2月27日号