①魯肉飯団
「魯肉飯団」は、甘いブタの角煮とシイタケ、肉松(でんぶ)など中国らしい具がたっぷり詰まった一品。「魯肉」は中国台湾の名物料理で、甘さをガツンと感じるものの、おにぎりのような感覚でパクッと食べられる。コメにはアワも入っており栄養満点。何より、店員が直接握ってくれるから、手作りの愛情が伝わってくる。
②三鮮豆皮
薄い醤油味のモチゴメおこわに「豆皮」を乗せて、こんがりと焼き上げる…お焦げのコクが堪らない「三鮮豆皮」。「豆皮」は湖北省武漢市の名物で、練りつぶしたコメやデンプン粉、玉子などを混ぜ合わせて煮込み、鍋の表面に浮かんだ湯葉のような皮を、油で揚げて作ったもの。中に挽き肉やエビ、シイタケなどが入った豆皮はサクサクで、中身はモチモチッとしている。
③蘇米糕
四角い揚げおにぎり「蘇米糕」は、外はサクサクした食感だが、中はコメの粘り気があって噛み応え抜群。店頭で揚げることが多いため、買い求める列に並んでいる時から香ばしい匂いが漂ってきて、空腹を刺激する。よく見ると、焼きおにぎりを、さらに揚げたような感じ。塩気が絶妙の塩梅で効いていて、ペロッと平らげてしまう。
④肉粽子
醤油風の甘辛い味がするモチゴメに、チャーシューのような肉が包まれている「肉粽子」は、日本で言うちまきに相当する。色が茶黒く味が濃いように見えるが、それは中国の醤油の一種でカラメルが入っている「老抽(濃口醤油)」を使っているためで、実際にはそこまで塩辛くない。中国では端午の節句だけでなく日常的に食べるため、ぜひ一度お試しあれ。
①煎餅
薄くのばしたパリパリのおせんべいを、玉子クレープで巻いた「煎餅」。中国で言う「餅」は、コメを使った日本の「餅」と異なり、小麦粉などを練ったものを焼いたり蒸したり、油で揚げたりしたものを指す。
味付けやトッピングは店によって多少異なるが、甘辛いタレを生地に塗ってネギやチーズなどを乗せ、折り畳んだものが多い。
②鶏蛋餅
「鶏蛋餅」は名前の通り玉子クレープ、もしくは薄焼き玉子のこと。玉子を使う点では「煎餅」と似ているが、「鶏蛋餅」は生地を作る段階で溶き卵を入れる。具材は、押し豆腐に茎ワカメ、ビーフン、パクチーなど。具材を全部入れるかどうかを注文時に聞かれるので、苦手なものは入れないようお願いしよう。
③南瓜餅
カボチャ入りおやき「南瓜餅」。カボチャの餡の中につぶ餡を入れて揚げたもので、朝食だけでなく小腹が空いた時のおやつにもピッタリ。この、甘いのか甘くないのかわからない程度の甘さが病みつきになる。カボチャと白玉粉、あんこを用意できれば自宅でも作れるので、オリジナル「南瓜餅」に挑戦してみては?
④金包銀
〝金で銀を包む〟という、ちょっと変わった料理名の「金包銀」。これは、モチモチしたデンプン質の皮で、シイタケや挽き肉の具を包んだものだ。味がよく浸みていて、唾液腺が刺激される。
露店で買う時には「要不要辣?」と聞かれることがあるため、好みの辛さを伝えよう。ひと口かじると、ピリッとして、その後にジワ~ッと辛さがくる。熱いのを、ハフハフと頬張るのがまた、楽しい。
①鮮肉月餅
肉汁たっぷりでジューシーな、挽き肉餡入り「月餅」。中秋節が近づくと、月餅を求める人の行列を、街の至るところで見掛けるはず。しかし「月餅」は基本、いつでも食べるもので、特に挽き肉入りは朝ごはんとして食べる人が少なくない。
中身はブタ肉が主流だが、近年はカエル肉やアワビ入りなどの変わり種が登場しているので、色んな味にトライしてみよう。
②板栗餅
「月餅」のようにホロホロと脆い皮で、クリの餡を包んだ「板栗餅」。これは季節限定品のため、春・夏は販売していないが、秋になったらこれを求めて行列ができるほどの定番メニューだ。クリの餡は、ほのかに実そのものの甘さを感じつつ、塩気の効いた味わいで、朝食としてよりもおやつ感覚で食べた方がいいかも。
③青稞餅
「青稞餅」は、小麦の一種・ハダカムギを粉状にして練り、焼いた中華風せんべいで、両面に付いたゴマの香りが香ばしい一品。ゴマの風味が強く、サクサクとした食感を楽しむことができる。1枚でお腹いっぱいになるほどボリューミー。またゴマは消化機能を高めるため、健康的な朝ごはんだ。
④手抓餅
牛肉などの具材がたっぷり乗った「手抓餅」。食感はフワッとしていて、食べやすいのが特長で、人によってはお好み焼きに近いなんて思う人もいるとか。
この料理は元々、中国台湾の伝統料理で、15年ほど前に中国大陸でも流行り出したと言う。焼く前の餅は、スーパーやネットショップなどで購入できるので、餅に挟む具材を自分で用意して、アレンジ手抓餅を作るのもいいだろう。
①土耳其肉夾馍
「肉夾馍」には、トリの挽き肉を挟んだ中華風の味付けのものと、ケバブを挟んだトルコ風のものがあり、ケバブの中に挟む肉はウシとブタから選べる。パンはギュッと密度が高く、厚みがあって、肉汁を逃すことなく包みこんでいる。
朝ごはんにしては少し脂っこい感じは否めないが、元気を付けたいならオススメの料理だ。
②桂花糕
「桂花糕」は、鮮やかなトッピングがされているが、いたってシンプルな蒸しケーキ。女性に人気の朝ごはんだと言い、若い女性がこれを食べながら歩いていることもしばしば。
またこの「桂花糕」は、蒸しケーキのほかにもゼリー状になっているものもあり、こちらは「水晶桂花糕」と呼ばれ、旧正月によく食べられるんだとか。
③炸小土豆
小ぶりのジャガイモを油で揚げて、塩胡椒やパクチー、各種スパイスをまぶした料理「炸小土豆」。朝ごはんと言うより、ビールのおつまみに合いそうな感じだ。
ホクホクのジャガイモに、調味料がピリリと効いて、ついついおかわりしてしまいそうだが、カロリーが気になる…。
④甜不辣
「甜不辣」という料理、中国語の発音は「ティエンブラァ」で、日本の「天ぷら」をイメージさせる一品で、中国台湾でよく見掛ける軽食。魚のすり身を揚げ、塩胡椒で味付けたものだ。
ちなみに、中国台湾の屋台で売られているものは「甜不辣醤」という、醤油に砂糖などを入れて煮詰めた甘辛いタレを付けていただくのがポピュラー。
~上海ジャピオン2018年3月9日発行号