つなガリ勉と学ぶ デジタル人民元

アプリに入金、デジタル通貨

北京冬季五輪でも大注目を浴びたデジタル人民元。普段の生活でも、「数字人民元」のマークを目にしたことがある人も多いのでは? 着々と運用準備を進めているこの通貨について、基本を紹介しよう。

まずデジタル人民元の大きなメリットは2つ。銀行口座を持っていなくても使えることと、現金に換えるのに手数料が掛からない点だ。携帯番号さえあれば誰でも取引可というのが国の説明で、実際には実名登録や銀行口座番号を登録しないと、様々な制限が掛かってしまうのだが、それでもオンライン決済サービスよりは遥かに緩やかな規制だ。近い未来、デジタル人民元が普及すれば、私たち外国人の生活がグッと便利になりそうだ。

次のページでは、現在公開されているデジタル人民元アプリの仕組みを見ていこう。

 

ウォレットでお金を管理

デジタル人民元を取引するには専用アプリのインストールが必須だ。同アプリテスト版はすでに公開されており、北京市・上海市などの一部地域では実際に利用できる。ただし、パスポートでの身分登録には未対応。

このアプリでは、まずデジタル人民元を管理するための、銀行口座のような「銭包(ウォレット)」を開設する。ウォレットはデジタル人民元を取り扱う銀行や「支付宝(アリペイ)」などが運営しており、基本はどれでも選択可。前ページで紹介した取引制限の4タイプもウォレットごとに設定できる。さらにこのウォレットを使って各アプリの支払いを行いたい場合は、「小銭包(連携ウォレット)」の開通が必要だ。

デジタル人民元は、各銀行アプリや銀行カードを紐付けてチャージする。支払いや受取などの操作は直感的でわかりやすく、便利。

 

お金のやり取りが高速化

オンライン決済システムがすっかり浸透している中国だが、デジタル人民元が普及すれば、オンライン上のお金のやり取りがより簡単に、スムーズになる。

振込みは携帯番号を使って相手のウォレットを検索できるほか、NFC機能を使えば、スマホ同士をピッと近付けるだけで支払い完了。NFC機能はショップでの支払いや公共交通機関の乗車でも使える予定で、今後は、QRコードを提示する機会が少なくなっていきそうだ。

また、相手にお金を送金する際、その用途を指定できるようになるという。これは詐欺の防止や、子どものお小遣い管理にも役立ちそうな機能だが、まだ具体的な内容は明らかになっていない。

ほか、冬季五輪でも注目されたプリペイド式デジタル人民元カードは、スマホに慣れない高齢者や、現金しか持っていない外国人にピッタリのアイテムだ。

 

 

~上海ジャピオン2022年2月25日号

 

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