春の便り 桃の花②:桃の花咲く蘇州の街へ 休日を利用して春を感じる小旅行

 上海から電車で約1時間の距離にある水の都・蘇州。市内には、2500年前から流れる水路が今も残り、昔ながらの石畳の小道を散策すれば、当時の雰囲気を偲ぶことができる。「拙政園」、「留園」に代表される4大庭園をはじめ、中国版のピサの斜塔がある「虎丘」や除夜の鐘で有名な「寒山寺」など観光名所も多く、一度は足を運んだことのある人も多いはず。3月末から4月上旬にかけては、庭園のあちらこちらで咲く「桃の花」を観賞できる。
 蘇州4大庭園の中で、桃が最も美しいのが「留園」。2月末にまず、梅が咲きはじめ、続くように桃、桜、藤、カイドウなどが次々とつぼみを開き始める。園内を巡る小道に沿って歩くだけでも、春を感じることができるだろう。
 「拙政園」では、点在する桃の花を楽しめる。中園部分にある緑漪亭付近では、花をつけた桃が水面に映り楼閣と相まって情緒ある風景を形成する。スタッフによると、今年の桃の花の見頃は4月5日以降とのこと。
 「獅子林」には、桃の木自体はないが、4月上旬に、桃の植木による展覧会を開催する予定だ。「拙政園」と「獅子林」は徒歩10分ほどの距離にあるので、2つまとめて回るのがおすすめの桃の花観賞コースだ。
 さらに、蘇州市内から車で南西へ約45分の所にある東山・西山風景区では、自然に咲く桃の花を観賞できる。特に西山には、梅や桃、みかんなどの果実園が広がり、移り行く季節とともに様々な表情を見せてくれる。

【スポット紹介】

【拙政園】
蘇州の中では最大級の広さを誇る庭園。園内の5分の3を占める大小の蓮池の周りには、東屋、望楼、樹木が巧みに配置されている。園内は東園、中園、西園の3つに分けられ、特に中園にある「遠香堂」からの眺めが知られている。

東北街178号
Tel:6751-0286
開園時間:7時半~17時半 入場料:50元

【留園】
清代の建築造園様式を今に伝える庭園。楼閣は長い回廊で結ばれ、廊壁を飾る透かし彫りの花窓を通してみる風景が魅力。園内には桃並木も配置されており、4月上旬には美しい花を咲かせる。

留園路79号
Tel:6533-7903
開園時間:7時半~17時半 入場料:40元

【獅子林】
太湖石で造られた迷路のような石林が特徴の庭園。獅子の形を模して組んだ石が多いことから、この名が付けられた。太湖石の築山を登ったりくぐったたりと、冒険気分が味わえるので子ども連れにオススメ。

園林路23号
Tel:6727-2428
開園時間:7時半~17時 入場料:30元

【滄浪亭】
蘇州に現存する中では最古の庭園。唐代末期に呉越広陵王が造った庭園を北宗時代に改築したもの。園内は広くはないが、竹林や小道が配され、落ち着いた独特の雰囲気が楽しめる。

滄浪亭街3号
Tel:6519-4375
開園時間:8時~17時半 入場料:20元

~上海ジャピオン2006年3月3日発行号より

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