中華系おつまみで呑もう

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 日本で〝種系〟のおつまみと言えば、ピーナッツやピスタチオを思い浮かべるが、上海では断然「ひまわりの種」と言えるだろう。
特に「洽洽食品」が発売する、茶色の紙袋に入ったひまわりの種シリーズは、年齢を問わず大人気だ。
食べ方のコツとしては、種の横っ腹部分を甘噛みして、「パキッ!」っと切り込みを入れ、その後殻を手で押しつぶして種を取り出す。
これを無意識に片手で出来るようになれば、もう〝現地化〟したと言っても過言ではない。
ついつい小動物のごとく、無心で「剥いては食べる」をひたすら繰り返してしまうが、ひまわりの種はカロリーが高いので、ほどほどに。
ただしその分、栄養価も高く、高血圧、貧血を防ぎ、脂肪を燃焼させる効果もあるとか。
 かぼちゃやスイカの種もお茶請けやおつまみとして、スーパーでよく売られている。

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お味はいかが?

①香瓜子
種を炒って、塩と独特の香料で味付け。
ほんのりとしたしょっぱさと香ばしさが、一瞬ふわっと口の中で広がる。
その〝一瞬〟を追い求めるように、つい次々に食べてしまう。

②涼茶瓜子
漢方系の香りが特徴。ミントが配合されており、後味が微かにスースーする。
同シリーズには、他に後味がほんのり甘い「?香味」などもある。

③南瓜子
1粒でも、かぼちゃ特有のコクと香ばしさがしっかり舌に残る。
ただ、ひまわりの種より食べにくいのが難点。

④芥末小生
やや強めのわさびパウダーでピーナッツをコーティング。
鼻にツンときたら、ビールで一気に流し込もう。

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 コンビニで1~2元で売られている味付け煮卵や燻製卵も、真空パックから出すだけで、ビールの友に早変わり!
?作るには手間がかかるものだけに、この手軽さと料金で手に入るのは嬉しい限りだ。
中国では、子どもが生まれた時、職場などで〝喜〟と書かれた煮卵を配って祝う習慣があるので、職場でもらい、口にした経験のある人も多いのでは?
また、日本ではほとんど見かけないピータンも、上海ではコンビニの棚に並ぶほどポピュラー。
ピータンとは、アヒルの卵を加工して熟成させたもので、臭みが強いため、そのまま食べるのはオススメできない。
豆腐に乗せて、塩とゴマ油を少々加えれば、男でも出来る簡単〝ピータン豆腐〟になるので、こうした自分なりのアレンジを加えよう。
こうした卵系の食材は、二日酔い時のお粥の具材としても、利用価値が高い。

お味はいかが?

①香鹵蛋
 甘じょっぱい味付けで、味も濃すぎず、日本人好み。ビール片手にそのまま齧りつこう。

②五香燻蛋
 5種の混合スパイスで味付けした燻製卵。
「香鹵蛋」に近い甘じょっぱい味付けだが、黄身の奥まで味が染み込み、味は濃い目になっている。

③重油咸蛋
 アヒルの卵を塩味で熟成させたもので、独特の匂いを放つ。
塩気が強いので、皿に移して箸で摘みながら食べれば、強めのお酒の良き伴侶となる。

④松花蛋
 殻を剥がすと、匂いを放つ紫緑色の身が登場。
臭みが強いので余程好きでない限り、そのまま食べるのはNGとなるかも。
ピータン豆腐にして食べたい。?

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 コンビニで絹豆腐を買い、醤油やポン酢をかければ、確かに手軽なおつまみになる。
しかし、中国で生活しているなら、日本ではなかなか口にできない珍味で呑みたいと思うのが、飲兵衛の常ではないだろうか。
その珍味の代表が「腐乳」だ。
腐乳とは、豆腐を塩水の中で発酵させたもので、〝東洋のチーズ〟と称されることも。
沖縄名物「豆腐よう」に似ており、楊枝の先にちょっとつけて、焼酎や泡盛とともに楽しみたい。
発酵系臭旨料理の代表である「臭豆腐」も、揚げる前のドロドロ状態で瓶詰になって売られている。
ただ、こちらは揚げ臭豆腐以上に凶悪な匂いを放つので、ディープなファン以外は手を出さないのが吉。
また、精進料理の発達している中国らしく、大豆を肉に模して作った「豆製串焼」なども、コンビニで販売されており、ビールのおつまみとしても活躍してくれそうだ。

お味はいかが?

①?瑰腐乳
薔薇のエッセンスで、腐乳独特の臭みを抑えてあり、普通の腐乳より食べやすい。
かなり塩辛いので、日本酒か焼酎で、ちびりちびりとやりたい。

②臭豆腐
腐乳同様に塩辛いが、こちらはドブのような悪臭を放つ。
厚揚げのように揚げたり、お粥に混ぜて食べよう。そのまま食すのは罰ゲームに近い。

③豆干(鶏汁)
豆腐から水分を抜き、ローストしたもの。
さっぱりした味付けの「鶏汁」のほか、四川風味の「麻辣」もある。

④豆製串焼(鶏汁)
元は大豆なのに肉のような食感で、非常にスパイシー。
焼く必要はなく、袋から出して、そのまま食べられる。

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「飛ぶものは飛行機以外、四つ足のものは机以外、何でも食べる」というジョークが存在するほど、中国にはダイナミックな食文化がある。
日本では馴染みの薄い食材であるアヒルも、中国では「北京ダック」を筆頭に、舌から首、皮、肉、手羽、肝臓と余すことなく食材となり、広く親しまれている。
部位の中でも、ビールのあてとして中国で人気が高いのが「舌」。
1羽から1つしか取れないのでやや値は張るが、せっかく中国にいるのだから経験しておきたい珍味だ。
コンビニやスーパーのおつまみコーナーで買えるのは甘辛い煮付けで、醤油ベースなので日本人の口にも合いそう。
なお、レストランによっては、舌をピリ辛風味の唐揚げにして出すところもあるとか。
 このほか、首や砂肝、手羽のおつまみも約10元~で、コンビニで売られているので挑戦してみよう。

お味はいかが?

①鮮鹵鴨舌
醤油ベースの甘辛いタレにしっかりと漬け込んだ舌。
少しグロテスクだが、プリプリの食感が特長で、おつまみにはピッタリでビールはもちろん、紹興酒との相性も良い。他の部位に比べると高級品。

②麻辣鴨?
「麻辣」なので、ピリ辛の味付け。
骨付きなので、肉をしゃぶるように食べるべし。

③鮮鹵鴨?肝
醤油ダレの味がしっかり染み込み、味も濃い目なので、焼酎かビールと共に頂きたい。コリコリはしておらず、しっとりした食感。

④香鹵鴨翅
醤油タレで煮込んだ手羽。
肉があまりついてない分、コラーゲンたっぷりの部位だ。

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~上海ジャピオン5月22日号より

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