上海の新たな象徴
イメージは昇り龍
浦東の陸家嘴に行ったことがある人なら、
誰もがこの工事現場を目にしたことがあるはず。
それは、今まさに建築が進められている、
浦東の新たな観光スポットとなるであろう
「上海中心大厦(上海タワー)」だ。
同ビルは、2008年11月に着工し、
15年に完成予定。
主体部は580㍍、
全体は632㍍と上海一の高さとなり、
階数は128階、地上部分の面積は38万平方㍍、
地下部分は17万平方㍍になるという。
ビル自体は主にオフィスビルの機能を持つが、
ビル内には5ツ星ホテルやレストランのほか、
娯楽施設、
1000人以上が収容可能な会議施設も入る予定。
外観は、ガラスのカーテンウォールが、
龍の如く螺旋状に上がる筒状のイメージ。
9つの円柱状の建物が垂直に重なりあった状態で、
さらにその上を二重のガラスが覆うという構造だ。
設計を担当したのは、
アメリカのデザイン会社「ゲンズラー」。
同社は「上海中心大厦(上海タワー)」について、
〝中国のダイナミックな未来〟と表現し、
今まさに世界経済の昇り龍とならんとしている
中国を象徴している、と語る。
完成後は、現存の高層オフィスビルの
「金茂大厦(ジンマオタワー)」、
「上海環球金融中心
(SWFC、上海グループフィナンシャルセンター)」
高層オフィスビルとともに、
3棟が同じエリアに並び立つことになる。
陸家嘴の新たな光景に思いを馳せながら、
完成を待ちたい。
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2大大手の共同出資
静安寺の新名所
軌道交通2号線「静安寺」駅から
少し東へ進むと、
2棟の建設途中のビルが見えてくる。
中国香港の不動産会社
「嘉里建設(ケリー・プロパティーズ)」
とアジアを代表する5ツ星ホテル
「香格里拉大酒店集団
(シャングリ・ラ ホテルズ&リゾーツ)」
が50億元の共同出資で建設を進めている
「上海静安嘉里商務中心
(上海静安ケリーセンター)」だ。
敷地総面積45万平方㍍という抜群の規模を誇り、
2012年末のオープンに向けて
着々と工事を進めている。
同施設は、
カーテンウォールのビルが2棟並んで立ち、
その間を連絡通路がつなぐという
印象的な外観をしている。
予定では2棟を北楼と南楼とし、
北楼には133室の部屋をもつ
「嘉里公寓(ケリーサービスアパートメント)」
やレストラン及びバー、
並びにブランドショップを設ける。
一方、南楼は59階のうち上部28階を
「静安香格里拉大酒店
(静安シャングリラホテル)」が占め、
全552室ある客室は、
44室ものスイートルームも含む。
もちろん、
レストランやスパ施設なども入り、
海外の一流設計会社が製作を手掛ける予定。
うち、ホテルのビュッフェレストランは、
日本のインテリアデザイン設計会社
「スーパーポテト」が製作する。
駅近で交通の便もよく、
西側に大型百貨店「久光百貨」、
東側にショッピングセンター
「恒隆広場(プラザ66)」
などが集まる静安寺。
今後も勢いを増す商業エリアの新名所として、
益々の賑わいが予想できる。
期待値大の駅ビル
年末にもオープン
軌道交通1号線「陝西南路」駅から
10号線に乗り換える際、
外の大きな工事現場に気付いた人は多いだろう。
その建物こそが、
中国香港の大手不動産会社
「新鴻基地産(サンフンカイ・プロパティーズ)」
が開発する
「上海国際環貿広場(SICC、
上海インターナショナルコマースセンター)」だ。
かつては「襄陽市場」という
服飾や生活雑貨などを販売する
卸売り市場として賑わっていた同地。
そこを新鴻基地産が買い取り、
新たに開発する形となった。
2008年より着工し、
工事は7割方終了している。
同施設にはオフィスやブティック、
高級サービスアパートメントなどが入る予定で、
総面積は28万平方㍍以上になるという。
外観のテーマは、「上海の美しい都市と活力」。
そのために上海の古典的建築「石庫門」と
近代建築様式を取り入れる。
また、全ての外壁に
発光ダイオードのLED電球や、
紫外線を遮断する特殊ガラスを採用し、
節電やエコなど環境への配慮を施した
作りになるようだ。
さらに注目したいのは、
大型ショッピングモールとしての機能以外に、
下に既存の1号線と10号線に加えて、
新たに12号線の「陝西南路」駅が入ることだ。
これにより地下での移動が可能となり、
3線の乗り換えがスムーズになる。
地下鉄開通はまだ先だが、
建物は12年末に完成する予定。
ショッピング以外に、
行動の範囲が広がる多機能な駅ビルとして、
その完成の日を待ちたい。
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普陀区最大のモール
イメージは豪華客船
普陀区に位置する軌道交通3、4号線
「金沙江路」駅前にて建設を進めているのは、
国内の大手家具会社
「月星集団有限公司(月星グループ)」
が開発を手がける「上海月星環球商業中心」。
総面積48万平方㍍、
4階建てになる予定の同施設は
〝商業、観光、カルチャー〟を3大テーマとし、
32万平方㍍を占める
ショッピングエリアや2棟のオフィスビル、
大型ホテルチェーン
「ハイアットホテルアンドリゾーツ」
の5ツ星ホテルが入る。
そのほか、映画館やスケートリンクも入り、
普陀区を代表する
超大型ショッピングモールになるとして
注目を浴びている。
中山公園まで1㌔、
徐家匯まで4㌔と恵まれた地理的条件に
位置しているのも、魅力の1つだ。
また、軌道交通13号線「金沙江路」駅も
現在工事中。
完成後は、交通の便がさらに良くなり、
遠方からも足を運びやすくなることだろう。
同モールは、2012年8月にオープン予定。
建物の形は、全体的に細長い三角形をしている。
設計会社曰く、
大型豪華客船のようなイメージで
デザインしたのだとか。
オフィスビルの外壁は
軽量なカーテンウォールを全面的に使用し、
モールは各階4つのスペースに別れ、
クラシカルな列柱が並び、
全体的に荘厳かつ優雅なつくりになる模様だ。
これまで
普陀区まであまり足を伸ばしたことがない人も、
今年の夏は、
間もなく完成するこの地上の〝豪華客船〟に乗って、
週末をクルーズしよう。
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~上海ジャピオン03月16日号