雑穀にしよう①

雑穀ごはん いただきます


雑穀ごはんで作ったおにぎりを焼き網へ。
ハケで醤油を塗り、表面にこんがり色がついたら、アツアツのうちにひとくち!
香ばしく焼き上がったカリカリの表面と、プチプチ・もちもちの食感。
これが白米では真似できない
「雑穀焼きおにぎり」の味わいだ。

豊富な種類と安さ それが上海のいいところ

 「雑穀の栄養価は、天然のサプリメントとも言われるほど高いんです。上海では、種類も豊富でどこでも手軽に購入できるから嬉しいですね」
そう語るのは、管理栄養士の資格を持ち、自らも雑穀生活を楽しんでいる倉本惠子さん。今や世界中で旋風を巻き起こしている食事法「マクロビオティック」も、玄米を中心とした雑穀での食生活を提唱している。日本でも、書店で関連書籍が平積みになるほど注目を集めている。
そんな雑穀ブームについて、市内のキッチンスタジオ「キャラメルママ」を主催する池田由貴子さんは「確かに日本での関心度は高いですね。ただし、値段も高いんです(笑)。上海の場合だと、日本の10分の1くらいで手に入りますよ」と、上海での利点を話す。雑穀生活を始めるのに、上海暮しはいいきっかけになりそうだ。

 食生活を改善するには継続が大切だということは、周知の事実だろう。そういう意味でも、雑穀は主食になるので毎日食べることができる。炊き方もとても簡単。いつもの白米にひとつかみ混ぜて一緒に炊飯器で炊くだけだ。
 炊き上がった雑穀ごはんで、焼きおにぎりに炊き込みごはん、雑炊やお茶漬けを作ってみよう。どれも白米では真似できない風味豊かな味わいに仕上がっているはずだ。

■雑穀処方箋■


雑穀の特徴を上手に活かして、自分にぴったりのオリジナルブレンドに挑戦しよう!

疲労
玄米 + 粟 + 黒米
粟・玄米は、ビタミンを多く含んでいるので、疲れが溜まる原因となるビタミン不足を補う。
また、黒米には滋養強壮効果があると言われている。

不眠
粟 + 黒米 + はと麦
粟には、催眠作用のある必須アミノ酸のトリプトファンが豊富。
黒米・はと麦は、気分をリラックスさせる鎮静作用がある。

貧血
黒米 + 粟 + 高粱
黒米は別名「造血米」とも言われるほど、造血作用には定評がある。
粟・高粱には、白米のおよそ6倍もの鉄分が含まれる。

■上海で手に入る雑穀あれこれ■

玄米 -?米-
更年期障害の予防に効果のある、ビタミンEが豊富。
胚芽部分に含まれるフィチン酸は、食品添加物や環境汚染物質など、
体内に蓄積する毒素を輩出する。

はと麦 -?苡-
ヨクイニンという名称で漢方薬にもなっている。
「美肌の雑穀」とも言われ、様々な肌トラブルに効果的。
解毒作用と利尿作用で、排毒を促しむくみも改善する。

黒米-黒米-
古代米。紫米とも呼ばれる。

プリフェノールを豊富に含み、老化防止になる抗酸化作用に優れている。
中国では不老長寿の穀物として珍重されてきた。

粟-小米-
催眠作用のある必須アミノ酸のトリプトファンが豊富。
また、白米の約6倍もの鉄分を含有する。
消化に優れているので、赤ちゃんの離乳食にも利用される。

たかきび-高粱-
粒が大きく、実が硬いのが特徴。
タンパク質、脂質、食物繊維、鉄分、マグネシウム、
カリウム、ポリフェノール等を豊富に含む。

八宝米-八宝米-
黒米、押し麦、はと麦のほか、小豆、大豆、緑豆などの豆類をブレンドしたもの。
ブレンドの種類は店舗によって異なる。
おかゆにした「八宝粥」もある。

丸麦-小米仁-
大麦を精麦し、胚乳だけの状態にしたもの。
白米に比べおよそ3倍のカルシウムと18倍の食物繊維を含む。
便秘防止や食欲増進に効果的。

押し麦-麦片-
大麦を精白し過熱・圧縮したもの。
食物繊維とカルシウムが豊富で消化吸収も良い。
粘り気が少ないため、とろろごはんとして食べるのが一般的。


倉本惠子さん 栄養管理師

上海には昨年5月に来た。
現在は医療関係の仕事と育児を両立する1児の母。
「私はサプリメント感覚で雑穀を食べています。ビタミンにしてもカルシウムにしても、雑穀はとにかく栄養分が豊富な上、消化や吸収にも優れているんです。それに自然のものなのでサプリメントよりずっと体にいいですから(笑)。また、雑穀を研ぐときは、栄養分が水に流れ出るのを防ぐため、短時間でササっと行ってください。」

~上海ジャピオン11月17日発行号より

最新号のデジタル版はこちらから




PAGE TOP