ローカル健康器具でリフレッシュ!

バランス力UP
王先生と堀内さんが向かったのは、
市内中心部に位置する「復興公園」。
芝生の広場を抜けた片隅に、何台もの健康器具が並んでいる。
すでに地元のおばちゃんや親子連れなどが集まり、
思い思いに身体を動かしていた。
いくつかある中で手始めに試したのは、
「晃板(ホァンバン)」という名の健康器具。
腰の高さほどの鉄棒からスケボー状の金属板がぶら下がっており、
板の上に乗って左右に重心をずらすと
ユラユラ揺れる仕組みになっている。
「これはバランス感覚を養うのに良いですね。
重心移動をする際に、ヒザ上や外ももの筋肉も鍛えられますね。
慣れてきたら、
バーをつかまずに両手を宙に浮かせた状態で行うのも良いでしょう」
と解説する王先生。
バランス感覚はどんな運動を行うにも重要で、
転倒防止にも役立つはずだ。

確実にかかる負荷
バーにつかまりながらボードに乗り、
膝を器用に伸縮させて重心を動かす堀内さん。
「簡単だけど、
ずっと続けているとじわじわと筋肉に負担がかかってきます」
と言いながら、懸命にボードを左右に振る。
上半身は固定されているので、
酔ったり目が回ったりする心配はなさそうだ。
「全然疲れないし、これなら気軽に運動できますね」
と余裕の笑みを浮かべながら堀内さんはエクササイズを続けたが、
外ももには確実に負荷がかかっている様子。
数分後、「意外と疲れますね」と言って息を上げ始めた。
一見簡単そうでも、結構運動効果があるようだ。

階段の上り下りも楽に
続いて挑戦したのは、
「下肢鍛錬器(シアジー・ドゥアンリエンチー)」
という名の運動器具。
2つのイスがシーソーのように向き合い、
イスとイスの中間にある振り子のようなバーに足を掛け、
膝を伸縮させながら運動する仕組みになっている。
一見すると大して意味のなさそうな動きだが、
膝の強化に役立つという。
王先生によると、
「お年寄りがやれば、階段の上り下りをしやすくなりそうですね。
関節の動きを滑らかにする軟骨の形成に重要な、
グルコサミンの減少を防げそうな感じがします」とのこと。
ただし、「幼稚園児など小さいお子さんは、
膝への負担が大きすぎてしまうので避けた方が良いでしょう」
と注意点を教えてくれた。

2人でエクササイズ
また、この器具は1人でもいいが2人でも利用できる点が面白い。
バーに2人で足をかけてトレーニングすると、
膝への負荷が増し、効果も高まる。
猫背にならないよう気をつけて、
背筋を伸ばして行うと良い。
友達や家族、恋人同士などでおしゃべりを楽しみながら
エクササイズをするのも良いだろう。
堀内さんがトライすると
「簡単だけど、ずっとやっていると地味に疲れてくる」とのこと。
正しい姿勢で行えば、
膝だけでなく腹筋や背筋にもマイルドな負荷がかかるようだ。
簡単な動きだが、膝や太ももの筋肉を使うため、
額には汗がにじみ始めている。
膝の柔軟性も増したようだ。
軽い運動をしたい場合にはもってこいだろう。

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がっつり筋トレ
がっつり筋トレしたい人にオススメなのが、
「多効能鍛錬器(ドゥオーゴンノン・ドゥアンリエンチー)」
という名の懸垂マシン。
「多効能」というからいろいろな使い方ができるのかと思いきや、
王先生に見てもらった限りでは、
「うーん、基本的には2種類ですかね」とのこと。
頭上のバーで懸垂ができるほか、
後方の持ち手を使って体操の「平行棒」や「つり輪」の
静止技のような運動ができる。
どちらも筋トレ効果はバツグンだ。
懸垂用のバーは幅が広く、
腕を肩幅より広げて懸垂を行うこともできる。
「腕を広げて懸垂すると、
脇腹や上腕二頭筋への負荷も大きくなって、
より効果的でしょう。
でも、慣れない人が無理するのは禁物。
筋トレは継続して行うことに意味があるので、
まずは軽めの負荷で続けていくのが良いでしょう」と語る王先生。
一度に激しい筋トレをすると、
骨や筋肉への負担が大きすぎてあまり健康に良くないようだ。

腹筋に莫大な負荷
堀内さんが挑戦すると、懸垂はわずか1回でギブアップ。
「うう、これはしんどい」とうめき声をあげながら、
地面にバタリと崩れ落ちてしまった。
最初は腕を広げず、肩幅程度で行うのが吉のようだ。
器具の逆側で行う〝体操的静止技〟に至っては、
足がほとんど上がらない状態。
王先生は軽々とやってのけたが、
足を上げた状態をキープしようとすると、
瞬発的に腹筋へ莫大な負荷がかかるらしい。
お年寄り向けの軽い用具が多い中、異色の器具と言える。

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見た目は複雑
次に目が留まったのは、
「腹背鍛錬器(フーベイ・ドゥアンリエンチー)」
という名の腹筋器具。
なかなか複雑な形状をしていて、
最初は使い方に戸惑ってしまいそうだ。
しかし王先生は、
「これは腰掛けて背もたれを使いながら腹筋するんでしょう」
とプロの目で見抜き、早速実演。
右手の持ち手をつかみながら腰掛け、
上半身を前後に移動させた。
腹筋への負担はかなり軽めのようだが、
背中を伸ばした状態をキープさせると、
じわじわと筋肉への負荷がかかってくる。
案内板には「各年齢可能」という旨が記されており、
中高年でも難なくこなせるレベルに設定されているようだ。

背中マッサージも
「バランス感覚に不安のある人は持ち手をつかんだ方が良いですが、
自信のある人は両手を頭の後ろに置いても良いでしょう」
と王先生は解説する。
この器具のうれしい点は、
腹筋を鍛えながら背中のマッサージができること。
背もたれ部分はデコボコした突起のある円柱になっており、
動作に応じて円柱が回転して突起が背中のツボを刺激するのである。
堀内さんが試してみると、
「あー、かなり軽い」と楽勝の様子。
持ち手をつかむことでさらに負担が軽くなる仕組みになっており、
腹筋を鍛えるというよりも、
起き上がり運動によって腰骨を動かし
刺激を与えることに主眼があるようだ。
見た目は複雑だが、やってみると簡単。
遊び感覚で楽しめる。

?腰痛予防の効果
最後に挑戦したのは、
「?腰器(ニウヤオチー)」という名の腰捻りマシン。
マシンと言っても構造は極めてシンプルで、
くるくる回る円盤の上に両足を載せ、
腰の高さにあるバーをつかみながら
腰を左右に振ってひねるというもの。
始める前に、
「これは身体の重心を少し前にして行うとより効果的です。
背筋を伸ばしてバランスを保ちましょう。
腰が柔らかくなって、腰痛予防にもなりますね。
フラフープに似た動きなので、ウエストも引き締まります。
女性ならウエストのくびれ作りにもいいでしょう」
と王先生は健康効果を語る。

ネット購入も可能
堀内さんが挑戦すると、ボキボキボキとすごい勢いで骨が鳴った。
「ああ、これはよく効く」
と言いながら堀内さんは何度も腰をひねり続ける。
「筋肉はあまり使わないけど、腰がすごく軽くなる感じがします」
という堀内さん。
普段デスクワークが多い人にも良さそうだ。
王先生も気に入った様子で、
「これは一家に1台欲しいぐらいですね」と語る。
ちなみにネットショッピングサイト「淘宝ネット」で
「?腰器」と検索すると、
30~50元ほどで円盤部分を購入できるようだ。
気に入ったら、自宅でエクササイズするのもアリだろう。
無料の健康器具を使いこなし、
早くもスポーツの秋を満喫した堀内さんだった。

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~上海ジャピオン9月30日号

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