世界一やさしい!? 上海ネットバンキング術

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もうタイヘン!
家賃や電気代のお支払い

 日本で簡単にできたことでも、上海に来ると意外と面倒に感じることがあるだろう。
家賃の振り込みやガス、水道代の支払いなどもその1つだ。
「家賃の支払いを1日でも遅れると、大家から電話がジャンジャン、矢の催促。
あわてて払いに行こうとすると、ATMに列ができてて、10分以上待たされることもしばしばです」(27歳・女性)
「ガス代を払おうと思って朝かばんに伝票を入れて家を出るんだけど、仕事が終わった後はもうクタクタ。
いつも払い忘れてしまうんです。その繰り返しで段々自分で自分にイラついてきます」(45歳・男性)
 さらには、わりとスムーズに支払いができるはずのコンビニでも、不便を訴える声が。
「以前、コンビニに電気代を払いに行ったら『機械が故障しているからできない』と何度も冷たく言い放たれ、
支払えるコンビニを探しに20分以上あちこち探したことがありますね」(34歳・男性)。
 そう、たかが家賃や公共料金の支払いと侮ってはいけない。
来月も再来月もその次も、確実に払わなくてはいけないものだからこそ、
少しでも手間を省いて不毛な時間(=ATMで行列、大家との口論、コンビニ行脚…)を減らしたいものだ。

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自宅でゆっくり振り込み
安全性にも十分配慮

 そこで試したいのが、ネットバンキング。
日本だけでなく、中国でも中国銀行をはじめ、工商銀行、交通銀行など、
ほとんどの銀行がネットバンキングのサービスを取り入れている。
 中国の大手リサーチ会社によると、2009年の中国のネットバンキング市場の取引額は
404兆8800億元に達した。
個人取引も盛んで、右肩上がりで増加している。
「最初はネットショッピングのために始めたんだけど、今は家賃の支払いもネット。
ATMよりラクだし、自分の部屋でいつでもできます」(28歳・女性)
 ネットバンキングに申し込むと、家賃の振り込みや公共料金の支払いだけでなく、
普通預金から定期預金への振り替えや、外貨取引、純金の購入などもパソコンの前でできるのだ。
しかも振り込み手数料は、窓口やATMの場合に比べて安く設定されている。
 ネットバンキングに不安があるとすれば、それは「安全面」だろう。
だが、中国の多くの銀行では、日本と同レベルのセキュリティシステムを取り入れている。
使い捨てのパスワードを使った「ワンタイムパスワード」などがそれに当たる。
ハッカーに預金を横取りされるようなことは、日本と同じぐらい起こりにくいだろう。
 では、実際にネットバンキングの手続きや使用方法を見ていこう。

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面倒なのは最初だけ

 日本もそうだが、ネットバンキングを使うには最初に1回だけ窓口に行く必要がある。
今回使ってみるのは、中国銀行。
電話で「95566(内線3)」にかけると9時~18時まで日本語のサポートが受けられ、便利だ。
それに、ネットバンキングの画面を中国語から英語に切り替えることもできる。
 申し込みの際、不安なのは言葉の問題だろうが、基本的に必要な単語は次の3つだけだ。
①网上?行(ネットバンキング)
②借??(普通口座のカード)
③密?(暗証番号)
 筆談でも大丈夫だが、密?(ミーマ)だけは窓口で店員に口頭で指図されるので、
発音を覚えた方がいいだろう。

手続きは15分程度

 申し込みに必要なのは、パスポートとお金だけ。
銀行に着いたら、まずは必要書類をもらおう。
行員に「我想做借??、网上?行」と書いた紙を見せ、
申し込み書をもらったら氏名、住所、職業、電話番号などの個人情報を記入。
他の部分は窓口の係員が記入してくれる。
 続いて、窓口で書類とパスポートと預けるお金を渡す。
さらに15元(年会費+手数料)が必要となる。
窓口の人は「ネットバンクの口座を作りたいんですね」などと中国語で言ってくるが、
うなずいていれば基本的に問題ない。
密?(ミーマ)と言われたら自分で決めた暗証番号を入力し、ペンを差し出されたらサインをする。
 こうして15分ほどやり取りをすると、ID(用?名)の書かれた紙と、
キーホールダーのような形をした使い捨てパスワード生成機「E―Token」が渡される。
これで開設完了だ。

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簡体字でも落ち着いて

 家に帰ったら早速パソコンを立ち上げてみよう。
ちなみに、ブラウザは「インターネットエクスプローラー」が推奨されている。
 つなぐサイトは、中国銀行サイト(www.boc.cn)。
画面が立ち上がると、膨大な簡体字の群れにおののくこと必至だが、心配無用。
画面右側の「登?中行网? BOCNET」の文字を探し、クリックする。
 ログイン画面が表示されるが、初期状態では「密?」(パスワード)と
「??口令」(ワンタイムパスワード)の欄が入力できない。
ここで「セキュリティソフト」をダウンロードしなくてはいけないのだ。

文字化けしても慌てない

 「登?」ボタンのすぐ下に青色で書いてある「网上?行登?安全控件」をクリック。
「ダウンロードを実行または保存しますか」という画面が現れるので、ここで「保存」の方をクリックする。
ダウンロードしたソフトを起動すると、「このファイルを実行しますか」と聞かれるので、
今度は「実行」をクリックしてインストールしよう。
 すると突如、文字化けしまくった画面が現れる。
「まさかウイルスに感染したんじゃ」という不安がよぎるかもしれないが、
中国語が文字化けしているだけなので、選択されているボタンをクリックしていこう。
 インストール完了後にもう一度ログイン画面を開くと、今度はパスワードが入力できるはずだ。
「用?名」には銀行でもらったIDを、「密?」にはパスワード、そして「??口令」には、
前述のキーホルダー風の小さな機械に書かれている数字を記入しよう。
これでいよいよログインできる。

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分からない時は電話

 ログインできたら、上記写真の個人画面に入る。
英語が得意なら表示を英語に切り替えても良いが、
少しでも中国語ができれば、中国語で頑張ることをオススメする。
英語だと、振り込みの際に銀行の検索がうまくいかない場合があるようだ。
 ここでも画面は簡体字のオンパレードだが、とにかくちょっとでも分からなくなったら、
日本語OKのホットライン「95566(内線3)」に電話をして聞いてしまうのが早い。
電話の応対は丁寧で親切。

入力情報は日本と同じ

 振り込みをするには、まず「??管理」と書かれた通帳マークをクリック。
大家さんの口座が中国銀行なら「中行内???款」、
他行なら「国内跨行?款」のタグを左上から探して開き、必要事項を埋める。
 銀行名を検索する機能があるので検索し、
振り込み先の銀行(?入??所属?行)と支店名(?入????行名称)、口座番号(?入??)、
相手の名前(收款人姓名)、電話番号、そして金額など必要事項を記入する。
その後「下一?」をクリックすると確認画面が現れるので、さらにクリック。
最後に「提交成功」の文字が確認できればOKだ。
 手数料は、大家さんの口座が上海市内にあれば、
中国銀行の場合は無料、他行の場合でも1万元以内は3元。
ATMで振り込むより2・5元お得だ。
 しかも便利なことに、振り込みを終えた瞬間、振り込み相手の携帯電話にショートメールが届く。
「?注」(備考)の欄に「房租」(家賃)と書いておけば、それも一緒に届くのだ。
 初めてやる場合は少し戸惑うかもしれないが、一度やり方さえ覚えてしまえば、
ATMで手続きをするよりはるかに手軽だと実感できるだろう。

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公共料金の支払い

振り込みより簡単

 公共料金の支払いは、振り込みより簡単だ。
電気代やガス代、水道代、ネット代などが支払える。
必要なのは、払い込み用紙だけ。
 まずは5P右の家賃の振り込みで紹介した、個人画面のページから「???付」を探してクリック。
続いて電気代なら「????」という文字の横から「?付」をクリック。
都市を選ぶ画面が現れるので、上海を選択。
その後、自分の口座(タグですぐ選べる)、料金、バーコード(条形?)を入力する画面が現れる。
料金は簡単だが、バーコードは数字はかなり長いので、ゆっくり正確に打ち込みたい。
 正しく入力できたら、「下一?」をクリック。
その後確認画面が現れ、さらに進むと支払いが完了する。
なお、ネットバンキングでの支払いは、支払い期限の前日までしか使えないので気をつけよう。

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定期預金に口座を移す

マメに預金し金利獲得

 定期預金振り替えは、事前に銀行窓口で定期預金口座(定期存款??)を開設し、
ネットバンキングの申し込みをしておくことが前提となる。
手続き方法は普通預金と同様なので、4P右を参照。
 中国の定期預金は日本に比べ金利が高く、3カ月預金で年利1・71%、
半年で1・98%、さらに5年だと3・6%となる(2010年4月28日現在)。
ネットバンキングを使えば、この定期預金口座に、普通預金口座のお金をいつでも移せるのだ。
貯金に余裕ができたら、小まめに定期預金口座に移すといい。数年後には大きな差ができているかも!?
 手続きはまず、個人画面の左上から「???款」のタグを、続いて「定期存款」のタグをクリック。
さらに「新增定期存款」のタグを選んで、画面を開く。
口座に移したい金額や期間(存期)などを記入すれば、即座に定期預金口座に移すことができる。

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~上海ジャピオン5月14日号より

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