いつもの1杯のお礼 白磁に青い花柄の茶器
中国茶好きの妻へ
仕事の後1杯はこれで
「色を楽しみ、香りを楽しみ、最後に味ね。分かる?」。
中国茶は茶葉によって、味と香りを引き立てる淹れ方や飲み方は違うという。
その奥深さを知って以来、妻は中国茶に夢中だ。
お茶教室に通っており、教室から帰ると、学んだことを僕に講義するのが定番となっている。
「本日は安渓鉄観音を本格的に淹れてあげるから、しかと見てて下さい」。
そう言って、あーしてこーしてと、1人呟きながら淹れる妻のお茶は確かに美味い。
おかげ様で僕の〝仕事の後1杯〟は、ビールからお茶に変わり、健康的な生活を送れている。
そこで僕は、いつもの講義とお茶のお礼にと、妻に綺麗な茶器を送ろうと考えた。
向かったのは、福州路に店を構える陶器ショップ「海上青花」。白磁に青や赤で花や草木を描いた作品が行儀よく並ぶ。
湯のみや茶壷、お茶受け皿、さらには年代物の木材と陶器を組み合わせた家具類まで。
これらは全て上海人の女性陶芸家によるもので、今ではホテルやレストランから発注を受けることもあるほど。
全て手作業による1点物なので多少値は張るが、妻へのお茶のお礼と思い、茶壺と蓋付きの湯飲み、湯飲み2つをまとめ買い。小脇に抱えて家に帰った。
帰宅後、お茶講義を始めようとした妻に、「その前に」と茶器を手渡す。
妻はきょとんとした顔からすぐに笑顔になり、ウキウキと包みをほどいた。
「この茶器には初めに何茶を飲ませてあげようか」。
「プーアール茶」と答えると、妻は「任せて」と、その茶器に枯茶草色のお茶を注ぎ、差し出した。
海上青花
住所: 福州路17号103室
TEL: 6323-0856
営業時間: 10時半~18時半
~上海ジャピオン2月20日 発行号より