北極物語(中篇)
ショッキングピンクの巨大アザラシに睨まれている僕。北極の海が、三途の川に見える…。
と、次の瞬間、コイツが襲い掛かってきました。とっさに盾にした鞄が破れて、中身のおやつが氷上に散乱。大きな口が、僕に覆いかぶさってくる…ヒィッ―。が、ヤツは僕の横を通りぬけ、散乱した中身のひとつに吸い付きました。それは、僕も大好き「亀ゼリー」。コーヒーゼリーのような色合いと苦味がクセになる逸品。割れた容器の隙間からちゅーちゅー食べとる。お前…分かるのかこの味が!
…かくして、僕はこの巨大アザラシと意気投合。ヒレのビンタでおやつを催促してくるけど、悪いヤツじゃないです。
仲良くなり、数日経ったある日。今日もコイツの元へやって来ると、突然銃を持った警官隊に囲まれました。「フリーズ(動くな)!」…え!!
【星評価】
黒々さ★★★
苦味★★★★
僕の危機を救った度★★★★★
【商品名】亀苓膏
【価格】3.6元
【製造元】新朝陽公司栄誉出品
~上海ジャピオン6月20日発行号より