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医学博士
盛虹明(もりこうめい)
日本で培ったノウハウを中国へ
いつまでも美しくいる秘訣は恋
日本で16年間培った、美容・形成外科の技術を母国である中国に持ち帰り、
上海で開業している盛虹明さん。
日本と上海で医師とて活躍する先生の目に映る上海とは――?
――先生が上海に戻ってこられたのは、2004年だと思いますが、
日本に行かれる前の上海と比べてどうでしたか?
そうですね。至る所に高層ビルが建っていて、日本の都会と変わらない風景にまず驚きました。
それと、街の発展に伴って、上海人の美への探究心も強くなってきたように思います。
結婚しても働くというのが中国人の女性ですが、
近年では、収入の3分の2を自分磨きのために使っている人も多いようです。
コスメも昔は質よりも安さが求められていましたが、ここ数年は、安さよりも質。
経済力もついてきたことから、海外の有名ブランドコスメを使う人も増えていますね。
――化粧品の動向にもお詳しいんですね。
では、先生が美容・形成医師になろうと思ったきっかけはなんでしょう?
実は幼い頃、事故で身体にやけどを負ったんです。
やけどの跡は、なかなか消えず、それがコンプレックスになりました。
担当医は、やけどの治療はしてくれましたが、心のケアはしてくれなかったんですね。
その時に、心のケアもできる医師になりたいと思ったのがきっかけです。
――それで、南京医科大学を卒業後、日本へ美容・形成を学びに行かれたわけですが、
色んな壁にぶつかられたことだと思います。
忘れられないエピソードはありますか?
美容・形成病院で死に物狂いで働いていた時のことですね。
というのも、そこの院長は、私が外国人だからといって特別扱いは一切しない人でした。
日本語力の問題で怒鳴られることは日常茶飯事で、術前資料を作成するのに明け方まで残っていることも多く、
終電に間に合わないのが当たり前でした。
その時は、人の5倍努力していましたね。
――では、どうして日本ではなく上海で開業しようと思われたのでしょう?
当時、中国の美容・形成の技術はまだまだでした。
手術を受けたい人は、海外に行くのが普通。
でも、言葉が通じず、納得のいく手術が受けられないという中国人が多かったんです。
だから、日本で培った技術を中国に持ち帰り、母国に貢献するのも良いと思い帰国しました。
――それで上海で開業されているわけですが、中国人と日本人の患者さんで違いなどありますか?
1番は、「日本人はとりあえず様子を見る。
中国人はとりあえずやってみる」ですね。
エステなどでじっくり施術するより、1発で治す手術に踏み切るのは、圧倒的に中国人の方が多いです。
――なるほど。最後に、女性がいつまでも美しくいるための秘訣を教えてください。
ずばり「恋」をすることです。
恋をすると、キレイになるためのアドレナリンが多く分泌されるんです。
実はこれ、エステをするより整形手術をするより効果的なんですよ(笑)。
~上海ジャピオン6月25日号より