老師のイントロ読書~75冊目「皮嚢」

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中国を代表するノンフィクション作家の1人。いくつもの雑誌で編集者として活動し、現在は『中国新聞週刊』の編集長を務める。

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老師のオススメ!

この本は著者・蔡崇達が2014年12月に発表した『皮嚢』や『母の家』、『障がい』、『張美麗』、『海は隠せない』などの全14篇からなる、ノンフィクションの短篇集よ。

祭崇達の文章はとても繊細で、まるで肖像画を描くかのように、登場人物1人ひとりを客観的かつ緻密に描写するの。

収録されているのはどれも「家族」がテーマになっているわ。

時に温かく、時に残酷な物語を通して、親や故郷に対する思い、友人の行く手にある未来への不安などが綴られているわ。

理想と現実、自分の運命に思いを馳せる青年の心情に注目してね♪

あらすじ

同作は文筆家として知られる祭崇達の、家族や友人、故郷について綴ったエッセイ集です。

舞台は福建省の小さな漁村。

学はなくとも、老いてなおかくしゃくとした99歳になる村の巫女、自分たちの足でしっかりと立つ覚悟を決め、周囲の手を借りることもせず4階建ての家を建てる母、病に倒れても人としての尊厳を失うまいともがく父、そんな登場人物たちを通して力強く生きる人間の姿を見ることができます。

短篇なので話のテンポが良く、また実話ゆえのリアリティと高いストーリー性が読者を魅了。阿来や韓寒など著名作家からも高い評価を受ける名作です。

 

~上海ジャピオン2015年5月8日号

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