魚や亀など、カラフルで可愛らしい多様な結び
タクシーの車内で揺れるストラップ。
レストランの入口を彩るヒモ飾り――鮮やかなヒモを立体的に結ぶ、中国の伝統細工「中国結び」が人気だ。
おみやげにと外国人の反応も上々で、教室で作り方を習う人も増えている。
その魅力を求めて、邦人中日文化交流センターを訪ねてみた。
■親しみやすい色と形
色とりどりの作品が教室を飾る。先生にあれこれ訊ねながら、5人の日本人女性の生徒が、戸惑いながら〝結び〟を作っていく。机の上のカラフルなヒモが楽しげだ。
「今では、街中で中国結びを見かけますが、これはここ数年のこと。生活水準が上がったせいで、伝統文化に目を向ける人が増えているんでしょう」。そう話すのは、教室で中国結びを教える曹莉先生。
中国結びは、1本のヒモを左右対称を基調に結んでいく。「大吉大利」「保佑平安」などを示す伝統的な模様が一般的だが、教室内を見れば、魚や蝶、コースターなど親しみやすいモチーフも少なくない。
→すいすいと結びを披露する曹先生と、熱心にその指先を
見詰める生徒たち。教室のムードは和やか。
■老人も子どもも覚える
この日習ったのは「亀」。5センチほどの甲羅から頭を突き出した、愛らしい形が仕上がった。生徒の渡邊さんは、「パイナップルやさくらんぼも作りました。中国結びは、最初のイメージよりずっと可愛い」と話す。同じく生徒の中島さんは、実家で結びを披露したところ、祖母がさっそく中国結びの帯止めを作ったそう。
「誰にでもできるんです。この方なんて、子どもに教えたらすぐ覚えちゃったとか」と曹先生。この馴染みやすさが、中国結びの魅力なのだろう。
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邦人中日文化交流センターでは、3人以上の受講者で「中国結び」教室を始められる。料金は、1回1時間半を5回分でひとり300元。授業リクエストも可。問い合わせは、6208‐7999まで。
←教室に飾られた、先生と生徒の作品の数々。
魚などの生き物のほか、果物、扇子などもある。
~上海ジャピオン9月15日発行号より