作って味わう点心の技術

成功のポイントは、手先の器用さ


  朝の上海の通りに並ぶ、様々な点心。朝食のほかにも、午後のおやつに夜食にと、その用途は広い。この点心の作り方を伝授しているのが、文化教室のチャイナタウンだ。
 10月31日(火)のお題は「南瓜餅」と「椰絲擩米糍」。その授業風景を覗いてみた。

高級ホテルから教室へ
 講師が調理の技を見せるたび、生徒たちがその手元にじっと顔を近づけ、必死に技を真似る。ヘルシーレストラン「互観堂素食」の一画で行われるにぎやかな授業の様子だ。
 「縁あって、今ここで講師をしています」と話す蔡先生は、「高級中点師」として、上海の銀河ホテルに15年間務めた経歴を持つ。その間、先生の点心作りをぜひ習いたいと、多くの人が集うようになった。3年前、ついに蔡先生はホテルを辞め、点心作りを教える講師になることを選んだ。
 教える点心は、上海式小籠包、生煎馒头、台湾式水晶蝦仁など多岐に渡る。お題は生徒の希望からも選ばれるそうだ。難しいとされる月餅作りを教えることもある。
 生徒の9割を占める日本人の印象を蔡先生に聞くと、「娯楽として授業を楽しむ中国人と違い、家でも練習する向上心がすごいですね」と微笑む。

毎回、レシピを記したプリントがもらえる。家に帰ってから、子どもと同じものを作る生徒も多い。

作って食べる楽しさ
 「ハロウィンに合わせ、南冬餅をカボチャ型にしましょう」そう話しながら、斎先生は丸い南瓜餅にカッターでラインを入れていく。通訳がその言葉を伝え、生徒たちも続く。2時間の授業の後は、できたての点心をほおばりながら、皆が笑みを浮かべていた。
 生徒の大木さんは、「手先の器用さが大事ですね」と笑う。

煮たカボチャともち米から皮を作る「南瓜餅」。カボチャの形を整えるのはなかなか難しい。

 チャイナタウンの点心教室は、全6回コースで、授業料は1440元。
問い合わせは5230‐1558か、139‐1685‐2577。

~上海ジャピオン11月10日発行号より

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