上海外語大学を卒業。中国語の基礎や会話、HSK対策などを担当する。苦手部分の洗い出しや克服のサポートが得意。明るくユーモラスな性格が生徒に人気です♪
老師のオススメ!
この本は大きな変化を遂げてゆく中国社会を経験した著者・路遥による小説なの。中国で権威のある文学賞・茅盾文学賞を受賞しているわ。私は昨年、同タイトルの映画を観て、原作を手に取ったの。
主人公は農村に生まれた2人の兄弟。彼らは時代の荒波に揉まれながらも、力強く生きていくの。単純なストーリーに、人生の哲学が織り込まれているところが気に入っているわ。
茅盾文学賞受賞の式典で「普通の労働者としての思いを失わないことが、本当の芸術を作り出すために必要なのだ」と路遥。この本を通して、筆者の思いを感じてみてね。
あらすじ
物語の舞台は1975~82年の陝西省。貧しい農村で生まれた孫少平と孫少安兄弟の生活を通して、当時の社会の様子を描く。
75年初頭、弟の少平は高校に通い始めるが、自身の貧困を憎んでいた。そんな時、地主階級の娘と親しくなるが、大勢の前で同級生にからかわれ、気まずくなってしまう。
一方、兄の少安はずっと家の仕事を手伝っていた。そして地元で、小学校教師であり幼馴染でもある女性との結婚を決めるが、相手の親からの反対を受けてしまい…。
労働と愛、渇望と挫折、苦しみと喜びなど日常生活と社会が複雑に交錯する様子を描きながら、当時の〝平凡〟の様子を描く。
~上海ジャピオン2015年4月3日号