考える男マートンと哲学の小部屋(トイレ)~ 南岸芸術中心

展覧会パーティーへ
私は考える男マートン。
今日は、展覧会の
オープニングパーティーに誘われ、
倉庫を改修したギャラリーへ来ている。
歴史を感じさせるスペースに、
芸術家の魂が込められた作品が並ぶ。
…ほぉ、フリードリンクか。
では早速、シャンパンを…
なに?
ワインに、白酒もあるとな?
…少々飲み過ぎたようだ、
一旦小部屋(トイレ)へ行ってこよう。

ハロー効果の哲学
コンクリート打ちっぱなしの
スタイリッシュな壁。
また、棚の下や後から光が漏れるよう、
効果的にデザインされた照明が芸術的だ。
ん?
待てよ。
後ろの光、後光…英語でhalo…
これが効果的ということはつまり、
ハロー効果?
ハロー効果とは、
ひとつの目立つ特徴によって、
ほかの特徴に対する評価まで
影響を受けることを指す。
例えば、好感度が高い芸能人を
CMに起用すると商品が売れるなど、
主に広告業界で使われるが…
なるほど。
小部屋(トイレ)は〝排泄行為の場〟
であるがために、
汚いイメージを持たれがちだ。
しかし、そんなことは
水に流すように忘れろ、
と暗に主張しているのか。
本来は、後光が差す聖なる空間
であるという哲学だな。
すばらしい。
ありがとう、いい小部屋(トイレ)であった。

~上海ジャピオン2012年12月7日号

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